「これまでトレーニングの常識として、“トレーニングをしてバストを美しくする”という考え方はそもそもありませんでした。
“大胸筋を鍛えて胸板を厚くする”といった男性的な目的はあっても、“丸くて柔らかそうなおっぱいを作る”というメソッドを私自身、見たことがありません」
脂肪を生かした女性らしい体づくりを目指すオリジナルメソッドを開発し、「日本一予約がとれないトレーナー」と呼ばれる相良梢さんがメソッドを特別伝授します。
血行が良くなり乳腺が発達すると
胸が大きくなる効果も
私はトレーニングと同じぐらいマッサージの時間も大事にしています。毎晩だいたい1時間ぐらいをマッサージタイムに充てています。
マッサージの目的は大きくふたつあります。ひとつ目は、老廃物を流すこと。全身に張り巡らされているリンパ管には体内の老廃物が流れていて、リンパ節で濾過され、最終的には尿として体外に排出されます。リンパの流れが悪くなると老廃物が体内に溜まり、代謝が悪くなり、むくみやコリ、痛みに繋がるのです。私はもともとむくみやすい体質でもあるので、一日の老廃物はその日のうちに流すようにしています。
特に、脇の下や鎖骨まわりなど、胸のまわりには大切なリンパ節があります。美胸をキープするためには、この2カ所のマッサージは欠かせません。
もうひとつの目的は、マッサージをすることで一日の緊張をほぐすこと。マッサージをする際は、アーユルヴェーダのアロマオイルや、発熱効果のあるクリームなどを、そのときの気分や体の状態、商品の効能などによって使い分けていて、6種類ぐらいを組み合わせて使うこともあります。
いずれにしても、一日の終わりに自分で自分の体に触れて、オイルやクリームを使って、ていねいにマッサージをすることで疲れや緊張をほぐすことができます。これには副交感神経を優位にする効果もあり、質の良い眠りにも繋がります。
また、胸と胸の周辺をマッサージすることで、リンパだけでなく血流も良くなり、代謝が上がり、女性ホルモンの分泌が促進されます。女性ホルモンは乳腺を発達させる働きがあり、乳腺が発達するとその周辺に脂肪がつきやすくなり、胸が大きくなる効果もあります。
一日一回、お風呂上がりなどに裸のまま全身のボディラインを鏡でチェックして、そのままマッサージすることを日課にするといいでしょう。
2019.10.31(木)
文=君塚麗子
撮影=鈴木七絵、三宅史郎