ほかほか湯気のあがる炊きたての白いご飯はなんとも魅力的。
新米となれば甘みも旨みもひとしおです。
今回ご紹介するのは、新米のおいしさにいい塩梅をほどこすお店。行かねば!
時喰みの
「炊きたて白米 痛風飯」
●推薦人:
渡辺P紀子さん

これはまずい。これはいけません。まさに痛風一直線。
ところがです、ご飯(米は山形産のつや姫)は土鍋で炊きたてピカピカ。
それを隣の人が食べてるのを見ちゃったりしたら、もう我慢できません。
すみません、あれ、こっちにもお願い、となるのは必然です、はい。
お茶碗によそったご飯の上にまず、カラスミの粉末がびっしり敷かれます。
それからが怒濤。これでもかと生うに、これでもかとイクラ、仕上げにキャビアをたっぷりとわさび。
むふふふ、食うぞぉと燃えます。わしわしと、惜しげもなくかっこみましょう。

この店、実は東銀座の名店〈徳うち山〉〈銀座くどう〉のオーナーが手がける3軒目です。
正統派のコースのみの他の2店と比べ、こちらはビルの2階の、ワインも日本酒も楽しめる、いってみれば気楽な居酒屋。

オーナーが自分が行きたい店を作ったというだけあって、さんざんおいしいものを食べ込んできた食いしん坊や、ワイン好き酒好きが「待ってました」と喜ぶ料理がずらり。
季節ごとに変わるメニューをよく見ると、賀茂茄子揚出汁、京鴨ロース夏みかんクレソンサラダ、とうもろこし磯辺揚などなど。
そして、ところどころに、蔵王、庄内の字が躍る。そう、オーナーが山形出身なのである。

今、食べたいものが必ずある、かつ、間違いなくおいしいに決まっている。
そして、深夜3:00がラストオーダー。こんないい店、なかなかありませんぞ。

時喰み
(トキハミ)
所在地 東京都中央区銀座3-11-6 鈴木ビル2F右手
電話番号 03-6264-2809
営業時間 17:30~翌3:00(L.O.)、土曜 17:30~23:00(L.O.)
価格 2,000円~、テーブルチャージ 600円(22:00~ 1,000円)
定休日 日曜、祝日
カード 利用可
席数 10席(カウンター 5席、テーブル 5席)
おすすめの人数 ひとりで大丈夫
※何より夜中までやっているのがありがたい。飲み屋的にもご飯屋的にも、使い勝手にのよさ、この上なし。つまみ 800円~。〆ご飯も充実。
2019.10.15(火)
Text=Michiko P Watanabe
Photographs=Wataru Sato
CREA 2019年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。