お互いに相手を想い行動する
それが家でも行われるべき
ただね、誰かと生活を共にするとき、先に挙げたようなことはもう社会的な「常識」であってほしい。お互いがスムーズで気持ちよくいられ、長続きする関係を目指すならば。もう男女、年齢差とか関係なく。
「料理してもらってたら箸を出す」「洗う」が大事というよりも、「料理はしてもらってるから、他に何をしておけば相手がラクか?」みたいに考える習慣をつけておく。それができてる人って、暮らしやすい。組みやすい。
料理に限らず、他の家事でもそうだし、旅行のときなどもいいですよね。
学校とか会社だと、わりに多くの人が自然にやっていると思うんです。それを家でも、ホームでもやろうよ、と。
「相手がAをやっている、ならば自分は何をしたらお互いがラクか」という思考をベースに、ふたりの得意なこと、苦手なことを加味しつつ「どう分担するか」を日々微調整していく。現代の「家事をシェアする」って、そういうことじゃないのかなと。
こういう考え方を若いうちに知っておいたら、いろいろと「失敗」も少ないと思うのですよ。「ありがとう」「おいしい」と言葉で伝えることも大事なんですけど、そこで終わっちゃうと長続きはむずかしい。
「幸せなら態度で示そうよ」だけじゃなく、もう一歩進んで行動で示さないと、伝わらない。
私もいろいろ「失敗」してきました……と、妙にしんみり思い出しモード(笑)。ははは、秋のせいだな。
2019.10.25(金)
文=白央篤司