■星野リゾート ロテルド比叡(後篇)
国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネス」です。
この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。
厄払いをバックアップしてくれる
唯一無二のプログラム
![比叡山の精進文化を取り入れたフレンチが楽しみなオーベルジュ、「星野リゾート ロテルド比叡」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/a/-/img_9a0820e9cadeb083eeccc93b97620948154915.jpg)
今から1,200年も前に開かれて以来、魔除けや厄払いの山として人々から崇められてきた比叡山。
この地に立つ「星野リゾート ロテルド比叡」は、厄払いに特化したユニークなプログラムと精進文化を取り入れたフレンチが人気を集めるオーベルジュだ。
![「比叡山厄祓い三昧」は2泊3日。1日かけて行体験をする。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/-/img_66bfc6807ca470c6a439cd958f42b943233999.jpg)
難しそうな厄払いを手軽に行えるのが、前篇でご紹介した「比叡山やくばらい散歩」。
そこからさらに一歩進んだ本格的なプランが、「比叡山厄祓い三昧」だ。2泊3日の滞在中、「禊」と「行」に集中する。
![開放的なラウンジ。一面の窓の外には、心地よい緑が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/1/-/img_5151ade902dc69c60e5a4bd5a1744ae5152416.jpg)
といっても、ひたすら座禅をしたり、断食したりする厳しいものではない。比叡山だからこそできる体験をし、オーベルジュだからこそのおいしい料理を食べることで心身を浄化する、旅としても大満足できる内容だ。
![MISOGIでは、日枝の霊水を使った美容液で全身をトリートメント。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/-/img_3598e81b830f31beb8ffc07245badc1393120.jpg)
初日に体験するのは、比叡山を流れる日枝の霊水を使ったスパトリートメント。
禊にスパ? と不思議に思うかもしれない。そもそも禊とは、参拝する前に自らの穢れを水によって落とすこと。
霊水を使ったトリートメントによって、浄化した身体で翌日の行体験を迎えられるというわけだ。
![比叡山延暦寺の続き地にある「星野リゾート ロテルド比叡」では、トリートメントだけでなく飲み水のすべてに日枝の霊水を使用している。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/-/img_447573191d28f5d67f4f5ce1e7d8f148140202.jpg)
日本では、超軟水の基準である硬度50をクリアするものは数えるほどしかないなか、日枝の霊水は、なんと硬度19という希少な超軟水。
あたりが軟らかく、洗い上がりも乾燥しにくい、肌に優しい水でもある。
その名もMISOGIという名のトリートメントでは、霊水を使ったパックで背中を浄め、陰陽経絡にあわせたトリートメントで全身に氣血を巡らせる。
リンパドレナージュやアロママッサージのような強さを感じない施術は、「効いているのかな?」と思うけれど、後からじわじわと、その効果を実感するはず。
![入浴剤は、滋賀県の冨田酒造と共同開発したオリジナル。沈香のお香が心地よく部屋に香る。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/a/-/img_faf0aed83000d0a01e62b375dad94319114882.jpg)
部屋に用意されているのは、入浴剤とお香からなる浄化アメニティ。
延暦寺で祈祷した塗香は身体のお浄め用に。日本酒から作った入浴剤はお神酒を髣髴とさせ、邪気を身体から追い出すといわれるお香は、心を落ち着かせてくれる。
![精進フレンチの一皿。中央に比叡山産湯葉、その周りに、揚げ、焼き、蒸しと異なる加熱調理をした野菜を配置。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/e/-/img_1ea06834d95c34bb1ea3e02e6450ee7d125482.jpg)
夕食は比叡山の精進文化を取り入れた全5品のコースを。フレンチの調理法と比叡山の精進文化が融合した、このリゾートならではのフレンチだ。
メインのリゾットに黒米を使ったり、高たんぱくの湯葉を駆使したりと工夫されているから、お肉がなくてもお腹は十分に満たされる。
ソムリエが厳選するワインもおいしく、おかわりが欲しくなるけれど、翌日は早朝から勤行がある。ゆっくりと休んで、行三昧に備えなければ。
2019.09.01(日)
文=芹澤和美
撮影=釜谷洋史