「厄祓い三昧」2日目は
いよいよ比叡山で護摩行体験
凛とした荘厳な空気のなか、いよいよ行三昧の始まり。
まずは延暦寺の根本中堂で行われる朝のお勤めに参加。読経と法話で約30分。京都御所に向かって祈願する読経では、世界平和も祈っているのだそう。
16世紀には織田信長による焼き討ちもあった比叡山で今、世界の平和が祈られているなんて、なんだか感慨深い。
読経の後は、ご本尊である薬師如来と、最澄が灯して以来1,200年以上守られている不滅の法灯の前で、僧侶のお話を聞く。
この法会は一般参拝客の参加不可。比叡山内、つまり、「星野リゾート ロテルド比叡」と宿坊に宿泊している人だけに与えられた特別な時間だ。
撮影は不可。じっくりとお話に集中して。
いったんリゾートに戻り、精進料理の朝食。そしてふたたび延暦寺へ向かい、無動寺で行われる「護摩行」を体験する。
無動寺といえば、厳しい修行、「千日回峰行」が行われる場。
護摩木に心願を書き、千日回峰行を満行した大阿闍梨さまに祈祷していただくこと1時間。その間は、ひたすら般若心経と御真言を唱えるのみ。
最後は、大阿闍梨さまの「加持(祈祷した仏力を伝える行為)」を受けて終了する。
終えた頃には、ただただ、ありがたいという気持ちでいっぱいに。
厄祓い三昧の後半は、ケーブルカーで山を下り、山麓の日吉大社で「山王社参」といわれる参拝を体験する。
これは、日吉大社の広大な敷地内に点在する40以上のお社の内、23社を回る昔ながらの参拝スタイル。
国宝の社殿、西本宮と東本宮に加え、普段は公開していないお社も特別に開放される、ありがたいコースだ。
「山王社参」は、一緒に参拝する禰宜(ねぎ)の「おめでとうございます」の掛け声とともに、一本締めをして終了。
「おめでとうございます」には、生まれ変わりを祝う意味も込められているのだとか。
トレッキングともいえるコースは少々ハード。でも、終えた頃には清々しく、心強さを感じているはず。
2019.09.01(日)
文=芹澤和美
撮影=釜谷洋史