加齢という問題にどう立ち向かうか

――未来の予想はできない、とお二人とも本に書いているのに言いにくいんですが(笑)、今後のジャニーズに関して何かありますか?
近田 最近思うのはさ、みんな長くやっていて、もう中年なわけじゃない。だから、どうやって年を取っていくのかというところはさ、ジャニーズ全体としてうまくやれたらいいよね。
SMAPの人たちにしても嵐にしても、うんと若いころの感じのまま時間を止めていて、そのことがだんだんイタさになってきているようなところがある。全体にね。
年の取り方に関しては、まだジャニーズとしての指針みたいなものができてない気がするんだよ。そのことがどこかですごく大きな問題になってくる気がする。
――昔はアイドルって今ほど長くやりませんでしたからね。
近田 どう年を取るかって芸能人にとっていちばん難しい問題なんだよ。若作りはイタくなっちゃうけど、かといって経年劣化していく姿を自然に見せても夢がなくなっちゃうだろうし。
今のアイドルは、ジャニーズに限らず昔より賞味期限が長いからさ。40過ぎてアイドルということには無理があるんじゃないかというね。
事務所の方針として、どうやってみんなに年を取らせるのか。俺がいちばん興味があるのはそこだね。
矢野 僕はずっとSMAPにそれを見ていたんですよ。アイドルとして輝きながら、いい感じに年を取っていくのかなと思っていて。それがああいった形で解散してしまったのは悲しい出来事でした。
嵐がみんなで話し合って活動期限を2020年いっぱいに決めたというニュースには、「これが今の形か」と思いましたね。

近田 ジャニーさん、ものすごく長生きすると思ったんだけどね。
矢野 どうしてもジャニーさんの美学が強すぎたから、先のことはわからないですよね。
近田 うん。本当にわからない。
矢野 『JOHNNYS' World -ジャニーズ・ワールド-』という、ジャニーさん自身を主役にしたような舞台を2012年からずっとやっていますけど、あれが本当に総決算的な作品なんだろうなって思います。
ビジネスの枠組みとしては、ジャニーさん後の体制作りはしているんだろうけれども、今までと同じように続くかというと、客観的に見て難しいだろうなとは思っています。
――ジャニーズ・イコール・ジャニーさんであるということですね。
近田 それは確かだよね。
矢野 本当にそう思います。50年を超える歴史がありながら一切ブレがないというのはやっぱりすごいことですよね。

近田春夫×矢野利裕
ジャニーズとは何か
2019.08.27(火)
構成=高岡洋詞
撮影=山元茂樹