阿部由希奈さんは、料理下手な20代を過ごし、ひょんなことから“流しのカレー屋”に転身します。

 そんな経験を踏まえて生み出された初の著書が『スパイスでおいしくなる and CURRYのカレーレッスン』(立東舎)。

 毎日使えるスパイスの使い方や、自由に素材を組み合わせたカレーレシピなど、盛りだくさんの内容が収録されたこの本から、3種のレシピを特別にご紹介します。


◆和風ポークビンダルー

〈ごはん〉五穀米 〈トッピング〉青じそ、白ごま。
〈ごはん〉五穀米 〈トッピング〉青じそ、白ごま。

 ポークビンダルーとはインド・ゴア地方の酸っぱ辛い豚肉のカレー。

 通常はワインビネガーでつくるところを、特製しょうがだれで仕上げて和風に。ごはんがすすむおいしさです。

材料(4人分)

・豚バラかたまり肉:500g

【しょうがだれ】
・しょうが(すりおろす):40g
・しょうゆ:45mL
・みりん:45mL
・酢:135mL

【ホールスパイス】
・レッドチリ:1本
・クミンシード:小さじ1

【パウダースパイス】
・コリアンダー:大さじ1
・チリペッパー:小さじ1/2
・ターメリック:小さじ1/3

・玉ねぎ:1個
・にんにく:2かけ
・青唐辛子:1本
・長ねぎ:1/2本
・ホールトマト缶:100g
・油:大さじ3
・塩:小さじ1(目安)

下準備

●鍋にしょうがだれの材料を入れ、一煮立ちさせて冷ます。豚肉は大きめの一口大に切って保存袋かポリ袋に入れ、しょうがだれを加えて冷蔵庫に一晩入れる。

●玉ねぎは1/2スライスにする。にんにく、青唐辛子、長ねぎはみじん切りにする。
※1/2スライスは玉ねぎを縦半分に切り、次に繊維を切るように横半分に切ってから、繊維に沿って薄切りにする切り方です。

作り方

(1) 鍋に油とレッドチリを入れ、弱火にかけ20秒待つ。クミンシードを加え、油の中でじわーっと動き始め、香りが出るまで熱する。

(2) にんにく、青唐辛子を加え、こんがりと色づきにんにくの香りが出てくるまで炒める。

(3) 玉ねぎ、長ねぎを入れて中火で焦げる直前まで炒め、「水50mLくらいを差して水分を飛ばしながら、再び焦げる直前まで炒める」をくり返し、こげ茶色になるまで炒める。

(4) ホールトマト缶を入れ、つぶしながら炒めて水分をしっかり飛ばし、ペースト状になるまで炒める。

(5) 火を止めてパウダースパイスを入れ、余熱で全体がよく混ざるまで炒める。

(6) 豚肉をたれごと加え、カレーベースとからめてから、中火で炒める。

(7) 肉の色が変わったら、水400mLを入れて約10分煮込む。豚肉に火が通ったら、塩で好みの味にととのえる。

※しょうがだれが入るので、塩は少しずつ様子を見ながら足しましょう。

『スパイスでおいしくなる
and CURRYのカレーレッスン』

著・阿部由希奈
発行 立東舎
発売 リットーミュージック
1,500円+税
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阿部由希奈(あべ ゆきな)

and CURRY主宰。1984年生まれ、大阪府摂津市出身。2015年ごろからカレーに魅了され、月一の間借りのカレー屋をスタート。あらゆる場所でいろいろなカレーをつくる「流しのカレー屋」として活動。2018年7月、東京・新代田にカレー活動の拠点として「Kitchen and CURRY」開設。週2日ほどを“キッチン開放日”とし、カレーを提供している。
https://www.andcurry.com/
インスタグラム @yukinaa.m