たまごは1年じゅういろんな料理で楽しめますが、なぜだか春にひときわ輝きを放ちます。身近な素材ながら、料理人の腕が試されるという絶品料理を味わいに出かけましょう~。
「トラットリア29」の
アスパラのオムレツ
●推薦人:
渡辺P紀子さん

〈トラットリア29〉の竹内悠介シェフのイタリアでの修業先はトスカーナ。中でも、シェフが入りたくて仕方がなかった店が〈チェッキーニ〉でした。
肉の詩人、肉の神様と称される店主、ダリオ・チェッキーニ氏は400年続く肉屋の8代目。
肉のすべてを味わってほしいと、レストランを3軒併設しているのですが、竹内シェフはここで肉、29、肉の日々を送ったのです。
だから、自分の店の名前も29。正しくはヴェンティノーヴェと読みますが、29、いや肉を食べるなら、ここでございます。
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さて、この店の名物は数あれど、そのひとつがこちらのオムレツ。
ふわふわたまごが野菜を包み込むユニークな形のオムレツですが、中身は春らしいグリーンアスパラ。
このまるで布を巻きつけたようなスタイルは、シェフがよく通っていたフィレンツェの老舗トラットリア〈ソスタンツァ〉で教わったもの。

実はこの店の裏手に、独身時代のシェフの奧さんと、お昼のサンドイッチ専門店〈3&1〉(トレエウーノ)のシェフを務める横内美恵さんが住んでいたんだとか。
ソスタンツァのスペシャリテは、アーティチョークのオムレツ。29でも、季節にはアーティチョークが登場します。

たっぷりのオリーブオイルで具材をソテーしたところに卵液を流し込んで形作るそうですが、難しそう。
まずは姿を愛で、レモンをギュッと搾っていただきます。オムレツにレモン。ちょっと不思議に思いますが、これがおいしい♡ お試しあれ。
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トラットリア29
所在地 東京都杉並区西荻北2-2-17 Aフラッツ
電話番号 03-3301-4277
営業時間 18:00~22:00(L.O.)、土・日曜 17:30~22:00(L.O.)、昼はサンドイッチ店〈3&1〉に
定休日 月、火曜(月2回)
価格 Dinner 3,000円~
カード NG
席数 16席
おすすめの人数 できれば数名で
※定番の人気前菜は、色々ハムの盛り合わせ、モッツァレラ ブッラータとトマトとルッコラのサラダ各 1,800円など。パスタ、メインとも日替わりも多々。
http://trattoria29.jugem.jp/
2019.05.02(木)
Text=Michiko P Watanabe
Photographs=Ichisei Hiramatsu
CREA 2019年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。