水中ヨガと
スパイシーなトリートメント
「賢者の養生」3日目に組み込まれたヨガは、全部で4回。
それぞれに動きが異なり、朝は体を目覚めさせるための動き、就寝前は快適な眠りへと誘う内容となっている。
昼に行われるのは、アクアティックヨガ。水の浮力と抵抗を利用し、インストラクターの指導で身体を動かす。
水の特性を生かすヨガポーズは、陸上よりはるかに身体が楽。
朝のヨガではあれほど身体が固かったのに、信じられないほど足が上がる、腕が上がる!
水の中でエクササイズしていると、ときには、ヴィラのプールサイドリビングでくつろぐ人が手を振ってくれることも。
閉ざされたプライベートプールではなく、ヴィラから集落全体に緩やかにつながる造りだからこその「ご近所感」に、なんだかほっとする。
水中で冷えた身体を温めてくれるのは、ウブドの伝統的な生薬ドリンク。
「スパイス ティータイム」と名付けられたアクティビティでは、日替わりで2種類のドリンクを手作りする。
ひとつは、植物や木の根、花、果実など自然由来のものから作られるインドネシアの伝統民間薬「ジャムゥ」をアレンジしたもの。
ターメリックの香りは濃厚なのに、タマリンドとパームシュガーの甘みがほんのりとあって、飲みやすい。
もうひとつは、「温かい生姜」を意味する「ウェダン・ジャヘ」。インドネシアではカフェインを含まない飲み物として親しまれるジンジャーティーだ。
生姜を生のままスライスし、パームシュガーやレモングラス、パンダンリーフなどを加えて完成させる。ピリッとした生姜の風味が、いかにも温まりそう。
スパイスは、飲んで身体に取り入れるだけに終わらない。さらに身体を温めるべく、続いてスパ棟でスパイスを使ったトリートメントを。
「スパイシー ボディ リバイタライジング」は、スクラブで汚れを取り除き、パックで潤し、オイルでしっかりともみほぐす約120分のトリートメント。
マッサージの強さは、「バリ舞踊美人滞在」で行われる「ホリスティック フルマッサージ&トリートメント」よりも、強めなディーププレッシャー。複数のスパイスをベースにしたコスメも、じんわりと効く。
「賢者の養生」3日目をしめくくるのは、ムーンライトヨガ。
日没と同時に響き渡るゲッコー(ヤモリ)の鳴き声を聞きながら、ゆっくりと一日の疲れを癒して。
2019.04.28(日)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵