土偶! 土偶! 土偶! 国宝3点を含む約220点を展示
土偶は何らかの宗教的な意図を持って作られ、祭儀のために用いられたのだろうと考古学者たちは考えている。ではその祈りがどのようなものであったのか、妊娠を思わせる土偶の下腹部の膨らみや乳房の表現から、「あらたな生命の誕生の神秘に根ざした再生と豊饒への祈りであった」あるいは破壊された状態で発掘されることから、「病気や怪我を治すための身代わり(形代)だったのではないか」など、さまざまな解釈が唱えられているが、どのような信仰に基づいてそれらが作られたのかは、縄文の人々に尋ねてみるのでもない限り、推測でしかない。
右:「遮光器土偶」重要文化財 東京国立博物館
今展は、こうした縄文の人々の世界観と豊かなイマジネーションの広がりを示すために、北海道から九州まで全国120カ所から出土した、約220点の土偶(国宝3点、重要文化財21点、展示替えあり)を中心に、土器や仮面などの土製品を含む約320点という、圧倒的な点数を紹介。「縄文」についての貧弱なイメージを一掃する、驚くほど多様で鮮烈な造形感覚のバリエーションを堪能することができる。
秋季特別展「土偶・コスモス」
会場 MIHO MUSEUM
会期 9月1日(土)~12月9日(日)
休館日 月曜日 【※9月17日(月・祝)・10月8日(月・祝)は開館、9月18日(火)、10月9日(火)は休館】
開館時間 10:00~17:00(入館は16:00まで)
料金 一般1000円
問い合わせ先 0748-82-3411
URL www.miho.or.jp/japanese
Column
橋本麻里の「この美術展を見逃すな!」
古今東西の仏像、茶道具から、油絵、写真、マンガまで。ライターの橋本麻里さんが女子的目線で選んだ必見の美術展を愛情いっぱいで紹介します。 「なるほど、そういうことだったのか!」「面白い!」と行きたくなること請け合いです。
2012.09.15(土)