期待高まる大学生活との両立
――4月から大学(青山学院大学)に進学されましたが、それまで学業と歌舞伎の両立は大変でしたか?
中・高では部活にも入っていましたし、舞台がある時は学校が終わったら歌舞伎座に直行して、稽古して、舞台に出て、の繰り返しの毎日でした。学校はできるかぎり出席し、舞台はできるかぎり夜の部にしていただいたりと、いろいろ大変なことはありました。今の(中村)児太郎のお兄さんだったり、(中村)橋之助のお兄さんなどから、学校の先輩には授業のことだけじゃなく、「大学に入って最初の1カ月は、友達づくりなどもあるので、できるだけ行った方がいい」といったアドバイスもしていただきました。
――そのアドバイスを実行されて、今は大学生活を楽しまれていますか?
入学式の翌日から、いろんな人に声をかけて「片岡といいます。宜しくお願いします」と自己紹介していたこともあって、いいスタートダッシュを切れました(笑)。そのおかげで、いろんな方と仲良くなれそうです。公園で、1人でボールを蹴るほどサッカー好きですし、踊ることも好きなので、フットサルやダンスのサークルに入ることも考えています。だから今、めっちゃ楽しいです!
~次回は女方に挑んだ、シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』についても伺います~
片岡千之助(かたおか せんのすけ)
2000年3月1日生まれ。東京都出身。03年7月、大阪松竹座にて「男女道成寺」の所化で、初お目見得。翌04年11月、歌舞伎座にて「松栄祝嶋台」(通称「お祭り」)の若鳶千吉で、片岡千之助を名のり初舞台を踏む。祖父は十五代目片岡仁左衛門、父は片岡孝太郎。
シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』
お伊勢参りから江戸に戻った弥次郎兵衛(市川染五郎/現:松本幸四郎)と喜多八(市川猿之助)。伊勢までの道中で一文無しとなった二人は、仕方なく歌舞伎座のアルバイトを再開。相変わらずの失敗続きで、怒られてばかりのなか、舞台で殺人事件が発生! 2人は犯人として疑われてしまう。
*シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台公演を映画館の大スクリーンのデジタル上映で楽しむ映像作品。
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
(C)松竹株式会社
2018年6月9日(土)より全国公開
くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2018.06.08(金)
文=くれい響
撮影=白澤正