小野美智代さん
お子さん:長女4歳3カ月

公益財団法人ジョイセフ勤務
URL www.joicfp.or.jp
広報グループ長として、子育てママ世代にジョイセフの活動の認知を広めている。ブログでは、ジョイセフ内外に広くサポーターが増加中! 「ママになっても新幹線通勤続行中!ジョイセフ ミッチのブログ
家族はご主人と長女喜那奈(きなな)ちゃん、4歳3カ月。

 そこにいるだけで、ぱっと周りが明るくなるひまわりのような存在。NGOジョイセフの広報グループ長小野さんは、そんな雰囲気を持っている。

 ジョイセフとは、途上国の妊産婦と女性を守るというコンセプトのNGOで、世界中の女性の安全な妊娠や出産と家族計画の普及に務めている。

 小野さんは現在広報グループに属し、一般の人にジョイセフの活動を認知すべく様々な活動を行っている。「NGOって堅そうなイメージ」「何をやっているかわからない」そんな声を打破し、一般に認知してもらおうと考えたのは、自分が長女の喜那奈(きなな)ちゃんを妊娠出産してからのこと。

 日本では、妊娠するとすぐに行政の保健センターで母子健康手帳が交付される。その後、定期的な妊婦健診が始まり、出産前に異常を発見し、より安全なお産に導いてくれる。

 小野さんは、自身が母子健康手帳をもらってから、行政と医療機関とが提携して自分を見守ってくれるような気がしたという。日本にはこういう母子を守るシステムがあるから、世界でもっとも母親も赤ちゃんも死なない国だということをはっきりと自覚した。

 当たり前だとみんなが思っているけれど、そうではない。途上国では妊娠や出産が原因で多くの女性が命を落としている。世界のことをもっと知ってもらって、当たり前が当たり前ではない現実がわかれば、もっとママたちの間にも支援の輪が広がるのではないかと考えたのだ。

ロハスデザイン大賞新宿御苑展で冨永愛さん(左)とトーク

 それまでのジョイセフは、メディア勉強会を開催したり、途上国への拠出金を増やすための政府や議員に対する活動はしていたが、一般の人への認知活動には積極的ではなかった。そこで小野さんは育休中に、それまでなかった一般の人にも認知されるための広報プランを上層部に提案。育休復帰後の組織編成で広報グループが設立され、小野さんがリーダーとなって活動を開始した。

 しかし、途上国の実情や国内の被災地の現状を伝えたり、ジョイセフの認知度を上げる広報活動となれば、国内外の出張、土日のイベント、イベント前の残業など、定時外の拘束も多い。4歳の娘を持つママとしては相当ハードな毎日だ。

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2012.09.20(木)
text&photographs:HITOMINA