大阪・阪神なんば線伝法駅から徒歩7分。住宅街にあるパン屋さんには笑顔が絶えません。「プティッタプティ」とは、フランス語で少しずつ、1歩ずつという意味。その前にpupupuという笑い声が付いた店名です。
「人を大切にしたい。そして、お店に関わる人すべてが、それぞれの素晴らしい人生を、自分のペースで、一歩ずつ確実に歩んでほしいと思って名付けたんです。そこに母がpupupuという笑いを足してくれました。お客様の笑顔がいっぱいのお店にしたい」と、店主・古川誠子さん。
その妹の純子さんとお母さんの千重子さん、焼き菓子を焼く奥田真帆さんが笑顔でお出迎え。入っただけで元気になれる街のパン屋さんです。
パンを焼く古川誠子さんは、1985年、大阪市生まれ。パンが大好きで、12歳の頃からパン屋になると決めていました。
高校を卒業してパン屋に就職しましたが、フランス料理店でフランスパンを食べた時の感動が忘れられず、仕事を辞めてフランスを3カ月旅します。
帰国後、大阪中のパンを食べ歩き、ここだと決めた「パンデュース」で4年働きます。「他の経験も積みたい」と、イタリアンの名店「ポンテベッキオ」へ入り、ホールで1年、キッチンで4年。さらに、バーでも8カ月、接客を学びました。
「いよいよお店をやることになって、仕込みからひとりでパン作りをするお店で一から修業しました」と誠子さん。
そんな誠子さんを助けているのが、妹の純子さん。野菜や果物を扱い百貨店などに出店している会社に勤めていましたが、辞めて販売やポップ、カフェのサービスを担当。母親の千重子さんは、接客や営業、レジを担当。
「妹だけでなく、定年退職を迎えて第2の人生を私の夢にかけて手伝ってくれている母親にも感謝しています」と誠子さん。さらに、ポンテベッキオで働いていた時の先輩・奥田真帆さんがクッキーなどの焼き菓子を作って並べ、商品ににぎわいをプラス。
「千早赤阪村のおばあちゃんが作って送ってくれる野菜やハーブを使ったパンもあるんですよ」と誠子さん。そんな家庭的な雰囲気が漂うお店には、いつも笑顔が溢れ、お客さんも思わず笑顔になります。
右:店内のレジカウンター。冷蔵ケースには調理パンやドリンクが。
「毎日食べても飽きない、オーソドックスなパンが中心。クリームもあんこも手作りです」と誠子さん。常時30種類程あるパンから、おすすめをご紹介しましょう。
2018.02.25(日)
文・撮影=そおだよおこ