ブルージュを起点にした
サイクリングツアーを楽しむ

ブルージュの旧市街には自転車置き場が多数用意されている。

 ベルギービール特集でブルージュを取り上げた記事では、この町の観光は馬車か船がオススメと書いた。もちろん、石畳の旧市街を馬車で走ったり、運河を船でのんびりと巡ったりするのは楽しい。

 でも今回は、そんなブルージュを起点に、隣の町までサイクリングしてしまおうというのだ。

旧市街をさっそうと走り抜ける子供たち。
ブルーのベースに白い雲がペイントされた自転車。かわいい! 駐輪場にはサドルの下の支柱を支えるスタンドがある。

 ブルージュの旧市街を歩いているとたくさんの自転車を目にする。カフェの隣にも必ず駐輪場があるし、どの自転車もきちんと並べられていてマナーがいい。日本では見かけないかわいいペインティングの自転車や、大きなベビーカーのようなものが付いている自転車も。自転車が生活に欠かせない移動手段だということがよく分かる。

左:ハンドルの前に子供用のイスが付いた自転車。
右:こちらの自転車には子供用の雨除けカバーも付いている。これなら雨が降っても大丈夫だ。
後ろに荷車を付けた自転車。大きな荷物も楽々運ぶことができる。

 旧市街にある「カシムンド・バイク・ツアーズ」では、ガイド付きの自転車ツアーを催行している。ダムの町までのサイクリングツアーに参加することにした。ブルージュからダムまでは約7キロあるので、往復14キロほど走る。自転車に慣れていない人でもちょうどいいサイクリングツアーだ。

「カシムンド・バイク・ツアーズ」は、窓に描かれた自転車のイラストが目印。
ヨスさんに自転車を選んでもらう。背の低い日本人はサドルの調整も必須。曲がるときのサインはしっかり覚えよう。

 まずは、自分に合う自転車を選ぶ。たいがいの日本人は、一番サドルが低い自転車か、子供用の自転車を選ぶことになる。私はさらにサドルを調整してもらった。ベルギーの皆さんは、とにかく背が高いのだ。日本人よりずっと足が長いともいうけれど(笑)。希望すれば、自転車選手がかぶるような流線型のヘルメットを借りることもできる。

ブルージュの町外れにある聖ヤンハイス風車。ヨスさんによると、1770年に造られたもので、毎朝風向きに合わせて風車の向きを変えるのだという。

 自転車が決まったら、マネージャーでツアーガイドのヨスさんから、注意事項やサインを教えてもらう。たとえば、右に曲がる時に右手を水平に出すなどのサインだ。

 自転車専用道では、どの自転車ももの凄いスピードで走っているので、いきなり曲がると後続の自転車と衝突してしまうこともあるから、サインを出すことが重要となる。

2017.09.03(日)
文・撮影=たかせ藍沙