ベルギーとオランダでは、旅行者でも気軽に現地で自転車をレンタルし、サイクリングを楽しむことができます。素敵な街並み、美味しいレストラン、そしてゴッホゆかりのスポット……。たかせ藍沙さんが、この2つの国を気ままに散策する旅に出ました。
第2回は、ベルギーのコルトレイクを訪れます。
繊維産業で栄えた小さな町は
徒歩で散策するのが楽しい
コルトレイクは、ブリュッセルの西約90キロ、前回ご紹介したシント・マルテンス・ラーテムから南西約40キロにある。1190年に自治都市となって以来、繊維産業の町として発展した。今でもリネン産業が盛んで、町の周囲にはリネン畑も広がっている。
コルトレイクの繊維産業がもっとも栄えたのは15世紀のこと。当時の建物が多く残された美しい街並みは、徒歩で散策するのにちょうど良い大きさだ。小さな町ながら、ユネスコの世界遺産に登録されている見どころもある。小さな町なので、今日はサイクリングをお休みして徒歩で散策となった。
市の中心にあるグロートマルクト(広場)には、世界遺産に登録された鐘楼がある。13世紀に建てられた繊維ホールの一部で、48個のカリヨン(旋律を奏でることができる鐘)をもつ。カリヨンは今でも現役で、美しい音色を楽しむことができる。また、塔の上からの眺望も素晴らしい。
市内にあるもうひとつの世界遺産はベギン会院。「フランドル地方のベギン会修道院」として登録されている13カ所の修道院のうちのひとつだ。いわゆる修道院というよりも、信仰をベースにした互助会のようなもの。半聖半俗の女性たちの生活の場となっていた。
ゲートの中には17世紀に再建された小さな家が約40軒と教会があり、中世の佇まいがそのまま残されている。市内にありながら静かで中世を体感できる一角だ。教会の中にも入ることができる。
2017.08.17(木)
文・撮影=たかせ藍沙