ベルギーとオランダでは、旅行者でも気軽に現地で自転車をレンタルし、サイクリングを楽しむことができます。素敵な街並み、美味しいレストラン、そしてゴッホゆかりのスポット……。たかせ藍沙さんが、この2つの国を気ままに散策する旅に出ました。
第1回は、ベルギーはフランダース地方にあるシント・マルテンス・ラーテムを訪れます。
欧州「美しい村30選」に選ばれた
美しい村を自転車で散策
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ベルギーとオランダでは自転車は人々の暮らしに欠かせない乗り物。テレビや雑誌などで自転車専用道をさっそうと走る人々の姿を見かけたことがあるかもしれない。
でも、それは住民だけの特権ではない。実は、旅行者でも気軽に現地で自転車をレンタルしてサイクリングを楽しむことができるのだ。毎日少しずつ自転車に乗りながら、郊外の町を巡った。
最初に訪ねたのは、ベルギーのフランダース地方にあるシント・マルテンス・ラーテム。「花の都市」と呼ばれるベルギー第3の町ゲントから南西に約10キロの場所にあり、19世紀後半~20世紀初頭に多くの画家が移り住んで絵画を製作していた「芸術の村」として知られている。村内には、当時描かれた作品が展示された美術館もある。
小さな村ながら、JATA(日本旅行業協会)が選んだ「ヨーロッパの美しい村30選」にも名を連ねるほど風光明媚な村だ。緑の中に、おとぎ話にでてきそうなほどかわいい家々が点在している。
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あらかじめお願いしてあったレンタル自転車は、なんと、宿泊先のオーベルジュ近くまでデリバリーされるのだ。小型トラックから1台ずつ降りてくる自転車にはいささか感動した。サドルの高さを調整してもらって、いざ出発!
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右:ここは、緑の中を抜ける自転車専用の小径。ことさら気持ちよく走ることができる。
ここでは、ガイドさんも一緒に自転車に乗って先導してくれる。道路沿いに、歩道とは別に設けられた自転車専用道は快適そのもの。なかには、自転車専用道もある。おとぎの国に迷い込んだかのような小さくてかわいい家々の間を縫って、森林浴をしながらの楽しいサイクリングとなった。
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シント・マルテンス・ラーテムには、産業革命以降、町の喧噪を逃れて多くの芸術家たちが移り住んだ。彼らが描く風景画は、シント・マルテンス・ラーテム派として評判を呼んだ。今でも、画家たちのアトリエやギャラリーが点在している。
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画家のアトリエには、直射日光が入らない北側に窓が造られたことを教えてもらったり、教会に立ち寄ったり、ガイドさんに案内していただくとサイクリングがぐっと奥深いものになる。
シント・マルテンス・ラーテムは、今では、彼らが描いた風景画の世界が富裕層の間で人気となり、移住したり別荘を建てたりする人が増えているという。
2017.08.08(火)
文・撮影=たかせ藍沙