息をのむほどに美しい
装飾絵画の天井

 朝から口福な幸せ気分を満喫した後は、街のショップが開くまでの時間を使って、車で少し郊外へ。

 中心部から車で30分ほど行くと、「サン・ミゲルの要塞都市とヘスス・デ・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地」として、世界遺産に登録されているアトトニルコにたどり着く。

 ここにある「アトトニルコの聖地」(教会)は、メキシコにおけるバロック建築の最高峰とされ、内部に描かれた荘厳な天井壁画を含め、世界中から訪れる観光客を魅了している。

閑散とした静かな街の中に、真っ白な教会が。1700年代、神父ルイス・フェリペ・ネリ・デ・アルファロが、荊の冠をつけたキリストの幻影に導かれてたどり着いたこの土地が、聖地エルサレムの枯れた大地を彷彿とさせたことから建造されたと言い伝えられている。

 また、独立戦争時に、ミゲル・イダルゴ神父が、ここから独立の旗を持ち出したことから、メキシコ人には「独立の聖地」としても親しまれている。

教会前には、独立の旗を手にしたイダルゴ神父の銅像が。
イダルゴ神父が持ち出したとされる独立の旗のレプリカの展示。
30年かけて描かれたという美しい天井壁画には、聖書にまつわる物語が。バチカンのシスティーナ礼拝堂を思わせる荘厳な装飾は、迫り来るような大迫力。

2017.07.22(土)
文・撮影=中山理佐