作りたてのマレーシアのお菓子も多数!

 夜市にはマレーシアのお菓子もずらりと並びます。それも焼きたて、蒸したてのフレッシュなものばかり。手軽に買える値段なので、あれもこれも食べる絶好のチャンスです!

 名物は、熟したパイナップルをジャムにして、クッキー生地で包んだパイナップルタルト。

マラッカのパイナップルタルトは、丸い円盤型。ジャムは、クローブやシナモンのスパイスの香りがする。

 中国系の焼き菓子も人気。タオサーピア(豆沙餅)は、サクサクの皮のなかに甘い餡入り。パリッと噛むと、瞬間にほろっと皮がくずれる食感が特徴です。

できたての中国菓子は、香ばしくて、サクッとした軽い食感。

 そして、マレーシアで人気のお菓子「クエ・ラピス」も売っています。もち米をココナッツミルクでねって蒸したもので、色を付けてカラフルな層にします。もちっとした食感は、日本のういろうにそっくりです。

「クエ」とはお菓子、「ラピス」とは層(レイヤー)の意味。

 これらのお菓子、見た目が可愛くとてもおいしいので、お土産にしたくなるのですが、残念ながらそれには不向き。蒸し菓子は日持ちがしませんし、焼き菓子はくずれやすく日本に帰国するころにはボロボロに……(←経験者)。これらのお菓子は、観光客用ではなく、あくまでも地元で食べる味なんですね。

公開カラオケを見学して、日頃のうっぷんを吹き飛ばす!

 さて、ジョンカー通りの最終地点では、公開カラオケが行われています。ステージ上で歌っているのは、プロのシンガーではなく、歌が大好きな素人さん。2リンギ(約60円)払えば誰でもエントリー可能だそう。

夜市の最後の地点にステージを設置。客席もあり、誰でも座ることができる。

 この公開カラオケ、おもしろいのは観客の反応。リズムに合わせて踊りだすおじさんもいれば、歌には無関心で、ただ座ってるだけの人もいるし、隣の人とおしゃべりをしている人もいたりと、みんなとても自由なのです。歌が終わったら拍手しなきゃ、とか、そんなふうに思う人は皆無らしい。ステージの上で歌っている人も、聴いている人も、楽しみ方は人それぞれ。ちょっぴりシュールな空間に感じるかもしれませんが、それがとても心地よいんです。

 夜市の楽しみ方もあなた次第。食べ歩くのもよし、実演販売のおじさんの軽快なトークを聞くのもよし、公開カラオケに参加するのもよし。そうやって過ごしたマレーシアの時間は、いつの間にか旅の思い出に刻まれているのです。

マラッカのナイトマーケット
開催場所 Jalan Hang Jebat通り一体
開催日時 金・土・日曜 18:00~22:00頃

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2016.12.02(金)
文・撮影=古川 音