Magnificent View #1093
ポトシ(ボリビア)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ボリビアの南部にあるポトシは、世界で最も標高が高いところにある都市だ。位置するのは標高約4000メートルと、富士山頂より高い。

 便利とは思えないこのような場所に街が築かれたのは、銀山があったためだ。1545年にポトシ銀山が発見されて以降、スペイン統治下で一帯が開発され、多くの先住民が強制労働をさせられたという。

 19世紀になると、銀の枯渇に加え、独立に伴う戦乱で街は荒廃。だが、19世紀末、銀に代わって錫が脚光を浴びるようになり、活気を取り戻した。

 銀や錫の採掘がされていた鉱山と街は世界遺産に登録されたが、2014年、鉱山で無計画に採掘が行なわれているという理由から、危機遺産リストに。

 とはいえ、入り組んだ石畳の道を民族衣装を着た地元の人が行き交う風景は、旅情を誘う。危機遺産リストに挙げられた今も、街は多くの旅人を魅了している。

Column

今日の絶景

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2016.09.27(火)
文=芹澤和美