ジンだけで120種類というこだわりバーが、いいね!
3年くらい前から、スペインのバルセロナやサン・セバスチャンで、ジントニック専門のバー“ジントネリア”が流行りはじめた。で、ここ香港でももっともエッジのきいたエリア、サイインプン(西営盤)にある「ピンポン129」も、スペイン人のホアンがはじめたジントネリアだ。
なんとジンだけで120種類。しかもジンを割るトニックウォーターも40種類あるというこだわり。
右:天井がとても高いので、地下にいる圧迫感がない。
ジントニックにそんな違いがあるなどと、夢にも思わなかったが、何種類かテイスティングしてみると! なるほど違う。
ジンに合わせてトニックウォーターも替えるのだが、これまたかなり新鮮な驚き。試しにトニックウォーターだけ飲み比べてみたが、確かに。味がかなり違う。これだけ違ったら、ジンの味に影響を及ぼさないはずがないわけで、ジンだけでなくトニックウォーターにもこだわる理由がわかった。
で、おすすめがスペインのメノルカ島(マヨルカ島に近いらしい)のマオンというところの「ショリゲル(風車)」というジン。20世紀はじめのころの技術そのままに現在もつくっているジンらしい。で、このジンを、同じくスペインのアンダルシア地方でつくられているトニックウォーター「インディ」で割る。
飲みやすくて、おいしい。ほかにも、いろいろなジン&トニックウォーターの組み合わせを楽しめる。もちろんジントニックにピッタリなハモン・イベリコやアンチョビなどのおつまみもあるので、長い夜を堪能したい。
右:カウンターの上にあるサインも“身体を鍛えよ”!
店内は地階の広々としたスペースだ。店名にもなっているように、ここ、元卓球場。入り口の扉も卓球場当時のまま残し、店内も家具以外はあまり手を加えずに使っている。香港的ロフトの雰囲気で、かなりエッジィなお洒落ピープルの溜まり場にもなっているようだ。
Ping Pong 129(ピンポン129)
所在地 129 Second Street, L/G Nam Cheong House, Sai Yung Pun
http://pingpong129.com/
「ピンポン129」からさらに西へ行くと、シンガポールのパティシエ、ジャニス・ウォンの「コボハウス・ホンコン」がある。今年、東京の新宿にもお店をオープンさせたジャニスのつくるスイーツの世界をたっぷり味わうことができる。
ピエール・エルメや元「エル・ブジ」のオリオール・バラゲに師事した彼女は、2013、2014年のアジア最優秀パティシエ。プレゼンテーションの楽しさ、食感の面白さ、そしてなによりお酒に合うスイーツで知られる。
右:パリパリっとして、ビールが合う「タピオカ・クラッカー」は65香港ドル(約850円)。
いまやカリスマパティシエのジャニスのお店は、香港でも話題沸騰で大繁盛。“食べるアート”といわれる彼女の作品は、日本では食べられないメニューも置いている。おもちゃのレゴからインスピレーションを得た、カラフルなチョコレートも日本にはないので、ぜひ食べてみたい。
COBO HOUSE HONG KONG(コボハウス・ホンコン)
所在地 8/12 South Lane, Shek Tong Tsui
http://www.cobohouse.com/
【Column 04】インドネシア発の評判店
島の西側、「ピンポン129」のある界隈はただいまもっともホットなエリア。バリ島で一世風靡のビーチクラブの「ポテトヘッド」もここにレストランを開いた。シンガポールに続く海外店第2弾。週末ともなれば大繁盛で、インドネシア料理を中心としたアジアン・エスニックを食べに人が集まる。
Potato Head Hong Kong(ポテトヘッド・ホンコン)
所在地 100 Third Street, Sai Ying Pun
http://www.ptthead.com/
2016.09.14(水)
文・撮影=大沢さつき