星野リゾート 青森屋 (後篇)
日本の地方の魅力を掘り起こし、プロデュースすることで日本の観光に一石を投じてきた星野リゾート。その各施設を訪れ、地方らしい遊び方、旅の仕方を再発見していこうというシリーズが「日本を遊ぼう!」。「星野リゾート 青森屋」の後篇は、この宿にいながらにして体験できるみちのくの祭りについてレポートします。
“ねぶた”と“ねぷた”の違いを知ってる?
青森の祭り、食、おもてなし。これらを一挙に体験することができる「星野リゾート 青森屋」は、まるでみちのくテーマパークだ。飛行機なら三沢空港または青森空港から、電車なら八戸駅から、それぞれ無料送迎バスが運行している。
到着すると、そこに広がるのは約22万坪という広大な敷地。有形文化財の「旧渋沢邸」や馬産地の伝統家屋である「南部曲屋」、そして大きな池のある公園には驚かされる。しかし、それ以上に驚くのは、館内に入り、エレベーターを下りた時だ。そこには、いきなりお祭りの活気にわく「じゃわめぐ広場」があって、別世界に来たようなのだ。“じゃわめぐ”とは、津軽弁で“ワクワクする”という意味。
飾り提灯が下がり、昭和の懐かしい雰囲気の「ヨッテマレ酒場」、毎晩“じゃわめぐショー”が披露されるステージ、さらにそこから奥に進むと、年中、青森四大祭りが一挙に体験できるショーレストラン「みちのく祭りや」がある。ここは、鍬の上で海の幸・山の幸を自分で焼くお祭り焼きや、八戸の郷土料理せんべい汁などのみちのくのお料理が楽しめるが、その後のショーがまたすごい。
勇壮な武者の大きな山車で知られる青森の四大祭りは、青森ねぶた、弘前ねぷた(方言によって“ねぶた”と“ねぷた”で言い方が微妙に異なる)、五所川原立佞武多、そして八戸三社大祭。
起源はみそぎ払いとも農作業の眠気を払う“眠り流し”とも言われ、それぞれに山車の作りや掛け声が異なるが、いずれも熱気に溢れる祭りだ。この「みちのく祭りや」では、民謡や津軽三味線の演奏、そしてクライマックスには青森ねぶたの山車が動き出し、観客も花笠をかぶった跳人(はねと)になって跳ね踊る。
2016.08.28(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵