ホップ畑に囲まれたビール醸造所
バスを降りて、醸造所の入り口に向かう途中で足が止まった。「あれ、あの裏手にあるのは?」 それは、ホップ畑だった!
ホップ畑に囲まれた「セント・ベルナルデュス醸造所」は、1946年創業の、ベルギーではもっとも新しい醸造所で、現オーナーが3代目。修道士が笑顔でビールを掲げたイラストがトレードマークの、セント・ベルナルデュスがメインブランドだ。
新しい醸造所ながら、ビールの歴史は古い。ラベルに修道士が描かれていることでも一目瞭然だが、もともとこの地にあった修道院内で造られていたトラピストビールを受け継いでいる。トラピストビールと呼ぶことができるのは、トラピスト派の修道院で醸造されたビールのみ。実は、セント・ベルナルデュスは、もともとセント・シクステュス修道院で、ウエストフレテレンという名前で造られていたトラピストビールなのだ。
右:ビールだけでなく、豚肉のペーストも作っている。これ、ビールに合ってすこぶる美味しい!
第二次世界大戦後、セント・シクステュス修道院は商業的な販売をやめてしまった。そのため、修道院の名のもと、セント・ベルナルデュス醸造所が同じレシピを使いセント・シクステュスの名前でビールを醸造することになったのだ。その後、1992年に契約が切れたことを機にセント・ベルナルデュスと名前を変え、トラピストビールと呼ばれた時代と同じレシピでビールを造り続けている。
右:倉庫には輸出を待つビールが積まれていた。クリスマスにはクリスマス限定のラベルを作るという。
セント・ベルナルデュス醸造所は、上質のビールの少量生産を続けてきたが、近年、世界各地のビールファンに乞われて輸出を始めた。醸造所には小さなB&Bも併設され、少しずつ訪れる人も増えてきた。
そして、2012年にブラッスリー(酒場)をオープンさせた。その場所が、なんと、東京の神田なのだ! ここでは、セント・ベルナルデュスだけでなく、さまざまなベルギービールを楽しむことができる。
ベルギーに行く前の予習に、そして、ベルギー旅行の後に本場の味が恋しくなったら、神田の「ブラッスリー セント・ベルナルデュス」に行くべし!
Brasserie St.Bernard(セント・ベルナルデュス醸造所)
所在地 Trappistenweg 23, 8978 Watou, Belgium
電話番号 057-38-8021
URL http://www.sintbernardus.be/
Brasserie St.Bernardus(ブラッスリー セント・ベルナルデュス)
所在地 東京都千代田区内神田3-6-2 アーバンネット神田ビル1F
電話番号 03-6206-8269
URL http://www.sintbernardus.jp/
2016.07.26(火)
文・撮影=たかせ藍沙