高齢ライオンの健康管理
川崎さんは「トムがここまで元気になってくれてよかった」と話します。
「一時期はたてがみだけでなく身体の毛も抜けてしまったり、身体が浮腫んだりして衰弱してしまった時期もありました。治療を続けて今ではすっかり元気になりましたが、病気でなくても、ライオンの19歳は高齢で何かあってもおかしくない年齢です。そのため、健康チェックは欠かさず行なっていますし、より一層健康管理には気を付けています」(川崎さん)
動物、そして個体によって臨機応変な対応が求められますが、2頭には年齢や健康を考慮したメニューを取り入れているそうです。
「年齢に合わせて栄養バランスを見直したり、少ない量の食事でも十分に栄養を摂れるように嗜好性の高い品目やカロリーを増やしたり、食べやすくお肉を一口サイズに切ったりと様々な工夫を行っています。
ライオンは野生動物なので人間のように一日の摂取カロリー量や必要栄養素量が全て分かっているわけではありませんが、ネコ科動物の場合はイエネコの研究データが豊富にあるため、ネコの1日の代謝量や栄養素量などを体重換算で参考にしてライオンに応用したりしながらメニューを考えています。また動物園同士で情報交換も行っています。
栄養面だけでなく、飼育環境の見直しにも取り組んでいます。最近の日本は夏に40℃を超えることが珍しくないなど、昔と比べて環境が変化しています。動物達にとっても負担になりますし、高齢の動物なら尚更です。そのため、動物園では環境の変化に合った施設整備も必要になっています。
ライオン達にも今年室内にエアコンを設置しましたが、同園は40年以上前に造られた古い施設が多いのでまだまだ十分ではありません。優先順位の高いところから徐々に改善しながら、動物にとってより良い環境を長期的に整えているところです。
動物達の環境改善にあたってはAmazonほしいものリストも活用していて、今年もご寄付をいただいたスポットクーラーをトラやライオンに使わせていただきました。支援していただいて本当にありがたいです」(川崎さん)
