ソーンとローラに負けない仲の良さ

 トムとサナが同園に来たきっかけを聞きました。

「2頭とも富士サファリパーク生まれのライオンです。兄妹ではありませんが、幼い頃から一緒に過ごしてきました。私が2頭に初めて会ったのは9 、10歳の時。高齢まではいかないですが、すでに成熟した年齢でした。そのときも今も、ソーンとローラに負けず、本当に仲がいい2頭です。

 野生のライオンはオス1頭に対して複数のメスがいる“プライド”と呼ばれる群れを作ります。また、プライドを持てない若いオス同士も集まって一緒に行動するといわれています。サバンナという広大で厳しい自然環境を生き抜くうえで、生存戦略として獲得したひとつの手段が群れをつくるということだったんでしょうね。

 ライオンは知名度が高いですし、動物園でも複数頭でいることがスタンダードなのであまり珍しく感じませんが、ネコ科の動物のほとんどは群れを作らず単独生活で過ごすので、群れを作るライオンというのは実はネコ科の中では特殊な生態を持った動物だったりします」(川崎さん)

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