「仙山亭」のゲストだけが入れる貸切風呂

 私が惚れ込んでしまったのが、「仙山亭」4室のゲスト専用の貸切風呂「原郷の湯」。冒頭写真の露天風呂と、天窓から光が降り注ぐ内湯があり、全体は洞窟のような石造りでダイナミック。社長の金井辰巳さんならではのアイデアで、温泉をとことん楽しむための工夫がたくさん隠れています。

 たとえば、湯の温度。源泉温度が低いので加温していますが、循環は一切なしのかけ流し。露天風呂は「居眠りできる温度」、内湯は「ちょっと汗ばむ温度」にこだわっています。天候や気温によって体感温度は変わってくるので、0.1℃単位まで細かくチェックして微調整できるようにしているというから驚きです。つまり、いつ入っても、どこに入っても「わ~あ気持ちいい」。

 冬でも足が冷たくならないようにと風呂場の石の床まで床暖房にしたり、湯船に入るステップにも温泉が流れていたり。そして、湯船のつくりにも注目です。三段階の深さになっていて、浅いところに腰かければ半身浴、一番深いところは首まですっぽりと温まれるし、中間の深さは座れば胸元、寝転べば浮遊浴、座って深いところに足をおろすと、まるで「こたつ!!」。思わずニヤニヤとしてしまう幸せがぎゅっと詰まっているのです。

 露天風呂も3段階の深さです。露天風呂はぬるめに調整されているので、こたつスタイルで入って、ぼんやりと景色を眺めれば心身のストレスがふわ~っと放出されていきます。奥の小さい湯船は星空を眺める寝湯です。

 この宿のくつろぎの源は「自由に過ごせる」こと。館内には名物の洞窟温泉と男女別大浴場、自由に入れる貸切風呂が他にも4つあって、異なる雰囲気の温泉を巡り、様々なパブリックスペースで気ままにくつろいで過ごせます。

 館内のパブリックスペースには、座れる場所が点在していて休み放題。ほっこりみかんを食べるスペースや、ライブラリー、隠れ家書斎、温泉が飲める「飲泉場」も。また、トマトが冷えていたり、フルーツたっぷりのビタミンウォーターがあったり、さながら楽園です。

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