「送迎は紺色の服」“伝統校”の雰囲気に驚いたが…

――子どもが生まれた途端に「上田実絵子さん」ではなく、「○○ちゃんのママ」になる感覚はありましたか?

 ありました。伝統校といわれる幼稚園に通っているのですが、送り迎え時に紺色のお洋服を着て行かないといけないのです。服の色に関して明確なルールがあるわけではないのですが……。なのでふだんの自分だったら着ないような洋服なので違和感はありますが、自分に母親という新しい役割が加わったのだ、ということを、あの紺色の服に教わっている気がします。

 学校では、先生方の真摯な姿勢はもちろん、若いお母さんたちが子どもの教育に一生懸命に向き合う姿を見て、感動しましたね。私はもうある程度のことを経験してきているので、大変なことがあっても何とか乗り切れるんですよ。でも若いとね、いろいろと悩むこともあるじゃないですか。なのにそれを一切感じさせない。もう素晴らしいなと。学ぶことも多いです。

――お子さんが生まれて、いちばん変わったことは何でしょうか。

 明らかに変わったのは、時間の流れです。それまで仕事ばかりして、車ばかり乗っている生活で、歩いて移動することもほとんどなかった。でも子どもがいることで、人生に余白が戻ってきた。公園に行くと、「子どもがいなかったら一生足を踏み入れなかった場所だな」と思います。これは想像していなかった変化でした。

 ある日、子どもと公園に行ったとき、「かわいいよ」とカメムシを持ってきたこともありました。子どもあるあるですが、嫌ですよね(笑)。昔の私なら問答無用で捨てていたところですが、子どもがカメムシをかわいいと思う、その感覚を大事にしたくて、「犬の○○ちゃんも嫌がっているから、戻してあげようね」と犬のせいにして(笑)、うまく誘導しました。

――お子さんにちゃんと寄り添っていらっしゃるのですね。

 それはもちろん(笑)! 育児は、基本的にはプロに任せていますが、一緒にいる時間の質はとても大事にしています。

 たとえば、子どもといるときは、絶対にスマホを見ないようにしています。子どもはすぐに振り返りますよね。その時に「スマホを見ている母」の姿を決して見せないよう、心がけています。

 ただ、運動系は、もっぱら夫の担当です。たとえば、プールに行ったときに「ママも一緒に泳ごうよ」と言われるわけですが、「ママは膝が痛くて、ごめんね」などと(笑)。体力面では年下の夫に本当に助けられています。これは、年の差婚のメリットかもしれません(笑)。

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