16世紀から17世紀にかけて栄えたジェノヴァには世界遺産にも登録された「ロッリ宮殿群」という数々の貴族の館が残っている。この街ならではの時代の記憶を辿るステイを楽しみたい。


旧市街の奥に佇む隠れ家ホテル

◆Palazzo Grillo(パラッツォ・グリッロ)

 ジェノヴァ旧市街の中心にある「パラッツォ・グリッロ」はロッリ宮殿群の一つを改装した小さなブティックホテルだ。

 石畳の路地を抜けて辿り着く入り口は控えめだが、扉の先には1500年代の構造を残した階段が伸び、壁面のフレスコ画が静かに時代を物語る。

 客室は歴史的建築の骨格を生かしつつも家具や照明は現代的で、旅の理想の拠点としてくつろげる。

 朝は屋上テラスから街の最も古い教会の一つ、ヴィーニェ教会の鐘楼を眺めたい。

 宮殿を所有していたグリッロ一族の胸像が掲げられたラウンジでは、この建物にかつて中世の貴族の暮らしがあったことを思い起こさせる。近年、2階で新たなフレスコ画が発見されたそうだ。

 この宮殿はまだ私たちにその素顔のすべてを見せてくれない。ゆったりと窓辺に腰かけ、土地の記憶を辿りたい。

Palazzo Grillo(パラッツォ・グリッロ)

所在地 Piazza delle Vigne 4, Genova
電話番号 010 247 7356
客室数 25
料金(1室) 88ユーロ(2名利用)~
https://www.hotelpalazzogrillo.it/

CREA Traveller 2026年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。