俳優、モデル、そしてアーティストと、多方面においてその才能を発揮し続けているSUMIRE。その彼女が、このたび、絵本作家としてデビューを果たした。40作以上の著書を持つ人気絵本作家・長田真作の文章を元に、SUMIREが絵を描いたその絵本の名は、『ほろほろもみじ』(303BOOKS)。もみじの落ち葉から生まれたこびとのリリアが、森に住む動物たちと出会い、心温まる物語を繰り広げる。

 本書の刊行を記念する対談の相手として招かれたのは、彼女の父・浅野忠信の母で、父方の祖母に当たる浅野順子。この祖母もまた、モデル、画家として活躍するマルチな才能の持ち主である。CREA WEBで連載された音楽家・近田春夫との対談では、波瀾に富んだその半生が惜しげもなく開陳され、大きな話題を呼んだ。

 孫と祖母として、アーティストとアーティストとして、互いのクリエティビティが響き合うこの二人ならではの対話をお届けする。(前後編の前編)


祖母・孫ともにアーティスト…44歳差の2人の原点

SUMIRE 『ほろほろもみじ』、読んでもらえた?

順子 さっそく読ませてもらいました。長田真作さんの文章に、SUMIREの絵がぴったりで、感激したわよ。この絵本を作ることになったそもそものきっかけって、何だったの?

SUMIRE おととしの秋、アパレルブランド「Ground Y」と私がコラボレーションを行って、私が描いた絵をフィーチャーしたTシャツを展開したことがあるのね。

順子 確か、Ground Yっていうのは、ヨウジヤマモトが手がけるブランドよね。

SUMIRE そう。その一環として、私は渋谷PARCOのGround Yの店舗でライブペインティングを行ったんだけど、たまたま買い物に来ていた長田真作さんが、その様子を観て、気になっていたらしくって。

順子 それは奇遇よね。

SUMIRE そして、ちょうど絵本を作ろうとしていた長田さんが、私に絵を描いてくれないかと声をかけてくれたっていう流れがあったの。

順子 この絵本を読むと、SUMIREが小さかった頃、よく一緒に絵を描いたことを思い出すわ。

SUMIRE そうだったね。おばあちゃんちにもしょっちゅう遊びに行ってたし。

順子 SUMIREは、私にとって大事な大事な初孫だったのよ。本当にかわいくってね。目に入れても痛くないぐらいでさ。……いや、みんなそう言うから、2、3歳の頃、試しに目に入れてみたんだけど、やっぱり痛かったわ(笑)。

SUMIRE 実際やってみたんだ(笑)。

順子 SUMIREと一緒に海外に行くと、向こうの人が「天使みたいね」って話しかけてくれるぐらいかわいかったんだから。

SUMIRE 私が生まれた時、ばあちゃんって何歳だったんだっけ?

順子 44歳。

SUMIRE ずいぶん若いおばあちゃんだよね。

順子 だからさ、赤ん坊の頃のSUMIREを抱いてると、「あら、いつ産んだの?」なんて聞かれちゃったりしてさ(笑)。私自身は、母が39歳の時に生まれたんだけど、それを考えれば、SUMIREが娘に見えたとしてもおかしくない。

SUMIRE やっぱり、周りの友達のおばあちゃんたちと比べると、うちのばあちゃんは、そりゃイケてましたよ。何より若いし、自分と同世代みたいな感覚があった。

順子 まあ、精神年齢が子どもと一緒だったのよね(笑)。だから、ジェネレーションギャップを感じなかったんじゃないかな。

SUMIRE まず、洋服ひとつとっても、普通のおばあちゃんとは違ったじゃない? 本当にカッコいいなと思ったもの。

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