環境保全に配慮した南極クルーズを実現

クリスタル・シンフォニーは低硫黄燃料油を積載可能であり、エンジンもそれに順応できることから、規制をクリアできることになった。

 世界中のさまざまなデスティネーションの中でも、今、最もホットな(クールな?)注目を浴びている場所、それは南極大陸だろう。放送中の人気テレビドラマ「南極大陸」や一昨年公開された映画『南極料理人』の影響もあり、ここ数年、その話題性は高まるばかりだ。

 就航以来、船旅のファンを絶えず魅了し続けているクリスタル・クルーズは、2013年のクルーズカレンダーに再び南極航路が加えられることを発表した。

 クリスタル・クルーズが今のところ最後の南極への航行を催したのは、09年のこと。その後、11年の初頭に、南極海域の環境保全のため、この海域を航行する船舶に対し、国際海事機関(IMO)から厳しい重油規制が敷かれた。多くのクルーズ船はIMOが指定する蒸留燃料を長期間運搬するための十分なタンクを搭載しておらず、この地への航海が不可能となった。

 クリスタル・クルーズ社は、この規制に基づき、徹底的に調査と打開策の検討を続けてきた。その結果、通常のオペレーションよりもコスト高を強いられる航海にはなるが、環境に配慮すると同時に、多くのファンの希望にそえるようなクルーズの再開が実現する。

<次のページ> エーゲ海&アドリア海の周遊リポートも必読

2011.12.16(金)