今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

バニラエキストラクト

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 甘い香りがする天然のバニラビーンズを、ブランデーなどの酒類に漬け込んで作られる香料。日本でよく耳にする「バニラエッセンス」とは別のもの。市販されている物の多くはオーガニックの素材を用いた品質の良いものが多く、50ミリリットル程度の量で約1,500円ほどで販売されています。決して安くはありませんが、人工的な強い香りと異なり、スイーツを上品な甘い香りに仕上げてくれる優れものです。ただし中には人工香料を使ったものもありますので、 原材料の表記を確認して選ぶようにしましょう。良いバニラビーンズが手に入ればブランデーと合わせて手作りしても良いでしょう。

甜菜糖

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 お料理にコクを出したり、おいしそうな照りをつけたり、またスイーツの甘味料としてなくてはならないお砂糖ですが、原料となるサトウキビは南国産の植物であり、温帯地域に暮らす私たちには体を冷やしすぎてしまう傾向があります。そのため、マクロビ的には寒い地方で育つ甜菜(ビート)の根から作られる甜菜糖を使用します。腸内のビフィズス菌を増やしてくれる天然のオリゴ糖がたっぷりで、まろやかな風味のお砂糖です。

ココナッツクリーム

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 ココナッツクリームはココナッツの胚乳をすりおろし、水と煮込んで裏ごししたココナッツミルクとも呼ばれる甘い乳状のクリームです。トランス脂肪酸とコレステロールを含みません。缶詰で売られていることが多く、開封前は常温で保存できますが開封後は冷蔵庫に入れ早く使い切りましょう。酸化しやすいので、開封後に長期保存したい場合は冷凍庫に入れておきます。低温では、油脂分が凝固・分離することがありますが、その場合は加熱することで元に戻ります。

 お料理やお菓子作りに生クリームの代用としていろいろと使えて便利です。

豆乳

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 豊富に含まれる大豆イソフラボンの効果で女性ホルモンの働きを助けてくれる豆乳は、主に乳製品の代わりとして使います。甘味や添加物の入っていない無調整豆乳を選びましょう。遺伝子組み換え製品ではない、有機栽培の国産大豆を使用したものが望ましいですが、あまりこだわらずに気軽に使ってみましょう。私が愛用しているのは大豆固形成分8%程度のもの。それ以上のものだと大豆の味が強く出てしまい、お料理によっては不向きの場合もあります。コーヒーや紅茶にもミルクの代わりに使えます。

寒天パウダー

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 寒天はテングサやオゴノリから作られる海藻の加工食品です。マクロビ的には海藻類は全般に血液をキレイにしてくれる食材と言われています。

 ゼリーやムースを作るときにはゼラチン(豚由来)を使うことが一般的ですが、オールベジの私のスイーツ作りでは寒天パウダーと葛粉を合わせて使用します。そうすることでゼラチンに近い滑らかな食感が得られます。

 寒天は食物繊維を含むほか、コレステロールの蓄積を防ぐ働きもあることから、普段から食生活に取り入れることで生活習慣病の予防になります。無味無臭なのでスイーツ以外にもお味噌汁に加えたり、ご飯を炊くときに混ぜ込むと艶のあるふっくらとした炊きあがりとなり美味。普段から積極的に食べたい食材の一つです。

自然塩

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 マクロビ的におすすめなのは、低温で蒸発、結晶化させ、にがりを落とした精製されていない自然な海の塩です。海水の成分には塩化ナトリウム以外にマグネシウムやカルシウムなどを含む90種類以上ものミネラルが含まれており、人間の体内の70パーセントを占める水分、この体液と血液の成分は限りなく古代の海水の成分に近いことからも、ミネラルを含んだ海の塩は必要な成分であると考えられています。

 塩化ナトリウムの純度が高い化学的に精製された塩は体に負担をかけるだけでなく、味わいも単調です。減塩を心掛けている方は特に少量でも味わい深い仕上がりになる自然塩がおすすめです。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ

週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。

2016.01.15(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平