ひとりで外食が苦手だった私がいつの間にか……
そして生活形態もかなり変わりました。ここは、やはり仕事のメイン拠点。打ち合わせをしたり、おもしろい人がいるからと紹介してくださる方がいたり、イベントに誘っていただいたりと出かけることが多い日々です。私の仕事はインプットが大切なので、そういうお誘いはとても嬉しくて、なるべく出かけるようにしています。
こちらに引っ越すまで私はひとりで外食するのがとても苦手でした。でも今年になって東京・軽井沢・福井と三拠点生活をするようになってからというもの、東京にいるのが月の半分、そして夫も私も出かけることが多くなったので、とにかく夫婦で一緒に食事をする日が激減しました。我が家は1日2食なのですが、ブランチが週の半分ぐらい、夕食は週に1~2回となりました。
料理を作るの苦手、おまけに美味しくない……そんな私に代々木上原はやさしい町です。ひとりで入れるビストロやワインバー、和食店がとにかく多いんです。気がつくと右も左もひとり客だったりして。
いつの間にか、いくつもひとりでブランチや夕食を楽しめるお店が増えてきました。
松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モードセミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/
Column
松尾たいこの三拠点ミニマルライフ
一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。
2015.12.26(土)
文・撮影=松尾たいこ