ももの形を整えて、オーブンへ!
内側に塩・コショウをふったら、中にローズマリーとにんにくを詰めます。鶏肉と相性の良いローズマリーは枝のまま1本半~2本を入れます。
ブランシールしたにんにく(1ページ目の「ポイントその2:下準備の前に……」を参照)を3~4片入れます。ブランシールしておくことで、にんにく臭も抜けてホクホクに焼きあがります。ローズマリーの枝は長ければ折って入れましょう。
足を縛っていきましょう。向きはお腹が上、お尻が手前です。まず胸の皮をお尻に向かって引っ張ります。ここで引っ張っておくと薄くてパリッとした皮に焼きあがります。両足を高く上げて胸の上でクロスにします。
ももを竹串で留めます。右ももの関節から中を通して左ももの関節に真っ直ぐ刺します。これがなかなか難しいのですが、串が斜めに通らないように気をつけましょう。同様に手羽も右から左へ竹串を通しておきます。こうしておくと安定するので縛るのが楽になります。
タコ糸で足とぼんじりをくくって蓋をします。まずはクロスした足にタコ糸を2回ほど回しギュッと縛ります。その糸をぼんじりに引っ掛けてグイッと上に引っ張り、両足に糸を回すと蓋ができます。ここは力を入れてしっかりとくくりましょう。しっかり蓋をすることでにんにくとローズマリーの香りが鶏肉について美味しく仕上がります。天板にクッキングシートを敷いた上に丸鶏を乗せ、オリーブオイルを塗ります。重なっている部分(ももと胸の間など)にも忘れずに!
全体に塩とミニョネットを振ります。シンプルな味付けなので、塩・コショウはしっかりと強めに。塩はだいたい3つかみほどを豆撒きの要領で満遍なく。少し多いかなと思うくらいで丁度良いです。振り終わったら、いよいよオーブンへ。付け合わせのジャガイモと残ったにんにくも一緒に、予熱した210℃のオーブンで40~50分ほど焼き色がつくまで焼きます。
●レッスン体験記
いよいよ実践です。デモンストレーションで理解していたはずなのに、やってみると「次は何だっけ?」ということに。難関はももに竹串を通すことと、くくること。右ももから真っ直ぐ刺したつもりでも、左ももの下の方に串がでてきてしまい、3回目でやっと通りました。ももとぼんじりをくくるのも、初めてだと難しかったですね。糸をどちらから回すのか迷ってしまいました。でも先生に手を貸していただきながら、最後には完璧? にくくることができ、あとは焼きあがりを待つだけ! 次回はついに本題のデクパージュ!
●教えてくれたのは……
マカロン由香さん
出張料理人。出張料理・料理教室「Le Macaron YUKA.」代表。エコール辻東京・フランスイタリア料理マスターカレッジ卒業後、渡仏。パリのエコール・リッツ・エスコフィエにて学び、オテル・リッツ・パリほか3ツ星レストランにて修業を積む。帰国後、フランス料理の出張料理人として活動を開始。一般家庭のホームパーティから大使館や企業レセプション、政治家、一部上場企業社長、芸術家、芸能人の会食まで、さまざまな形態の出張料理を請け負う。2005年にスタートし、2012年から東京・代官山のキッチンスタジオで開講している料理教室「Le Macaron YUKA.」では、料理の作り方やプロセスのみならず料理の歴史・文化、プロのコツやおもてなしのセンスまでを直伝。著書に『出張料理人が教える 本当に使えるおもてなし本』(講談社)、『マカロン由香のビストロ料理a.b.c』(河出書房新社)、『出張料理人が教えるレシピと盛りつけのおもてなしルール』(講談社)他。
オフィシャルホームページURL http://macaron-yuka.com/
2015.12.16(水)
文=高橋綾子
撮影=橋本 篤