クリスマスはやっぱりチキン! できれば丸ごと! でも、せっかくの丸鶏を、本当に美味しく食べられたことがありますか……? プロの“デクパージュ”(切り分け方)を身につければ、味わいや食感を損なうことなく、手も汚すこともなく、一羽丸ごと美味しくいただけるのです。フランス料理の出張料理人・マカロン由香さんに、そのノウハウと、本格ローストチキンのレシピをうかがいました。

» 第1回 丸鶏のパーツについて知っておこう
» 第3回 プロのデクパージュ(切り分け方)とは?

Le Macaron YUKA.で学ぶローストチキンの作り方

 パリの3ツ星レストランで“本物の技術”を習得したマカロン由香さんが、直接指導する料理教室「Le Macaron YUKA.」。今回は12月の特別レッスンである、「ローストチキン にんにくとローズマリー風味 ~丸鶏を学び、デクパージュ(切り分け方)を極める~」でレクチャーされた、クリスマスならではのローストチキンについてのクラスをレポート。

 いよいよ丸鶏を焼いてみましょう! このレシピはオーブンさえあれば意外に簡単。材料も丸鶏以外はスーパーで手に入るものばかり。いつもはお店で買っている人も今年はぜひ焼いてみて! 自分で焼くと、きっと美味しさが違いますよ。第2回目は「下準備」から「焼きあげる」までのレッスンです。

あっつあつのチキンとジャガイモが焼きあがりました。

■ 材料(2~4人分)
・若鶏の丸鶏:1羽(1~1.2キログラム程度)
・ローズマリー:2枝
・にんにく:2株
・エキストラバージンオリーブオイル:適量
・塩、黒コショウ(ホール):各適量
・ジャガイモ:適量

■ 調理道具
・包丁:刃渡り20cmほどの薄刃と13cmほどのペティナイフ
・楊枝:1本
・竹串:2本
・刷毛(オリーブオイルを塗るため)
・タコ糸
・キッチンペーパー
・クッキングシート

■ ポイントその1:精肉店で丸鶏を購入しよう!
・大きさは1~1.5キログラムのものをオーダー
大きくなるほど火の通り具合を見極めるのが難しくなります。家庭用のオーブンにも丁度良いのがこのサイズ。
・首付き、もしくは首の皮付きにしてもらう
ローストチキンは焼き料理ではありますが、美味しく焼くには“蒸し焼き”にするのがポイント。そのために首の皮で蓋をするので、必ず残してもらいましょう。首はソースを作るのに使います。また、首肉は「せせり」と呼ばれ、焼いたり揚げたりすると美味しく食べられます。
・内臓は抜いてもらう
レバーやハツなどの内臓があると、どんどん腐敗してしまうのであらかじめ抜いてもらいましょう。精肉店の人に「丸鶏を中抜きで首と首の皮付きにしてください」と言うとわかってもらえます。

■ ポイントその2:下準備の前に……
・丸鶏は冷蔵庫から出して常温に戻す
ホールのものはもちろん、ステーキや骨つきなど、肉は必ず常温で下準備します。
・オーブンは210℃に温めておく
・ミニョネット(つぶしコショウ)を作る
ホールの黒コショウをつぶしておきます。香りと食感が断然違います。内側にも外側にも使うので多めに用意しておきましょう。(20~30粒)
・にんにくをブランシールしておく
にんにくは薄皮をつけたまま水から茹で、沸騰したら茹でこぼします。これを3回繰り返して臭みをとっておきましょう。

2015.12.16(水)
文=高橋綾子
撮影=橋本 篤