今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!
自然塩
マクロビ的におすすめなのは、低温で蒸発、結晶化させ、にがりを落とした精製されていない自然な海の塩です。海水の成分には塩化ナトリウム以外にマグネシウムやカルシウムなどを含む90種類以上ものミネラルが含まれており、人間の体内の70パーセントを占める水分、この体液と血液の成分は限りなく古代の海水の成分に近いことからも、ミネラルを含んだ海の塩は必要な成分であると考えられています。
塩化ナトリウムの純度が高い化学的に精製された塩は体に負担をかけるだけでなく、味わいも単調です。減塩を心掛けている方は特に少量でも味わい深い仕上がりになる自然塩がおすすめです。
エキストラバージンオリーブオイル
エキストラバージンオリーブオイルとはオリーブの果実を搾ってろ過しただけの、化学的処理を一切行わないバージンオイルの最高級品です。安価なオリーブオイルは搾りかすからさらに抽出するために溶剤を使い、バージンオイルを混ぜて酸度の調整をしたものであり、その品質には歴然とした差があります。
良質のバージンオイルにはコレステロールを下げるオレイン酸が豊富なほか、カルシウム、鉄分、ポリフェノール、ビタミン類を含むので美容・健康に効果があるとされています。しかし残念なことに日本においてはオリーブオイルの名称に「エキストラ」をつける規制がないことから、商品の内容が偽装されたものも出回っているのが現状です。安心・安全を意識するのであれば商品選びは慎重に、信頼のできるブランドの良質なものを選ぶようにすると良いでしょう。
リンゴジュース
甘味を補う時に使う食材の一つです。輸入物の濃縮還元ではなく国産のストレート果汁100%のものを選びましょう。風邪で食欲がなく熱がある時にはリンゴジュースを葛粉と合わせて温めたものをいただくと、消化に負担がかからず優しく熱を取ってくれます。
マクロビ的にみると、リンゴは丸い形と堅い身、そして寒い地方で取れる果実ということから中庸(ちゅうよう……陰と陽の中間)のエネルギーを持つ果物と考えます。ただし、果物は全般に陰性のエネルギーの食材なので体を冷やす傾向にあるものです。摂り過ぎには注意が必要です。冷え性の方は自然塩少々を加えていただくようにすると良いでしょう。
中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18
撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp
Column
自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ
週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。
2015.11.03(火)
文=中村恭子
撮影=秋元良平