Magnificent View #726
スロープポイント(ニュージーランド)
(C) Frank Krahmer / Masterfile / amanaimages
暴風が吹き荒れ、木々がなぎ倒されているかのような、この光景。しかし、よく見ると、木の前に茂る草は、まったく風になびいていない。
ここは、ニュージーランド南島の南端にある、スロープポイントと呼ばれる場所。地球上で最も強い風が吹く南極大陸との間には海しかないため、風を遮るものが一切ない。そのため、成長期に強風にさらされた木々は、一方に曲がり、まるで常に風を受けているかのような姿に育ってしまうのだ。
もともと、この場所は強風のあまり人が住める場所ではなく、羊の牧草地として使用されていた。だが、羊が風に当たっているのを気の毒に思った農夫が、風避けの目的で木を植えたことから、このような光景が生まれたのだという。
実際、風が強い時は、羊たちはしっかり木の背後に避難しているのだそう。人間の思いやりと自然がこんな光景を生み出すとは、なんともおおらかなニュージーランドらしい話である。
文=芹澤和美
