世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第96回は、たかせ藍沙さんが、フィリピン人の暮らしには欠かせないデザートとファーストフードをご紹介します。

「混ぜこぜ」という名前のデザート「ハロハロ」を作る

ランチビュッフェの一画にあった「ハロハロ・ステイション」。自分で作ることができて楽しい!

 「ハロハロ」という微笑ましい名前のデザートをご存知だろうか。2015年は、日本のコンビニにこのデザートが並ぶようになって、なんと20周年になるという。

 もともとフィリピンで親しまれているデザートで、「ハロ」とはフィリピンの言葉で「混ぜる」という意味。「ハロハロ」にすると「混ぜこぜ」というところだろうか。いろいろな種類の具と氷やアイスクリームなどを縦長のグラスに入れて、長いスプーンでかき混ぜながら食べる。

 サンゴ礁に囲まれた水上コテージがある離島リゾートとして知られるエルニド リゾーツ。その4つのリゾートのうちのひとつ、「ミニロック アイランド」のランチビュッフェの一角に、「ハロハロ・ステイション」があった。具が並んでいて、自分の好みで調整しながらカスタムメイドのハロハロを作ることができるのだ。これは試すしかない。そこで、取材に同行してくださったフィリピン人のエンジェルさんにお手本を見せてもらった。

左:ハロハロ用のグラスに、まずはフルーツとココナッツストリングスを入れていく。
右:ここでエバミルクを入れるエンジェルさん。

 最初に入れるのはフルーツ。シロップに漬けてやわらかくしたマンゴー、バナナ、ジャックフルーツをひとすくいずつ、シロップも一緒に入れる。私はマンゴーが大好きなので、少し多めに(笑)。そんなさじ加減はビュッフェならでは。

 フルーツの次は、若いヤシの実の内側のぷるぷるしている部分を削ったココナッツストリングス。少し繊維質もあって歯応えがいい。

 そこに氷を入れて、エバミルク、アイスクリームを投入。あとは紫芋のペーストとプリン(レチェフラン)を盛りつけてできあがり。

左:クラッシュアイスは中央にこんもり。これで高さを出す。
右:アイスクリームと紅芋ペースト、角切りのプリン「レチェフラン」を盛りつけてできあがり。

 ハロハロらしく盛りつけるには、具材をグラスの縁の高さよりも高く、中央が盛り上がるようにするのがコツ。フルーツサンデーを縦長にして、盛りつける順番を変えたような感じ(笑)。

左:見た目はフルーツパフェのような感じ。クラッシュアイスがあっという間に溶けて全体が冷え冷えに。
右:食べる時にはハロハロ(混ぜこぜ)にしてから。紫芋とエバミルクの色が混ざってラベンダー色になった。
こちらは、マニラで立ち寄ったレチョン(豚の丸焼き)専門店のハロハロ。傘が刺さっていた(笑)。

 具材は多種多様で、スイートコーンや豆、芋、アボカド、タピオカ、ナタデココ、ゼリーなどを入れることもある。日本で作るなら、手に入りづらい紫芋のペーストをあんこにしたり、ココナッツストリングスをナタデココやゼリーにしたりしてもOK。フルーツは好きなものを。砂糖漬けにしなくてもいいし、フルーツ缶でもいい。

 フィリピンは暑いので、このひんやりしてボリュームたっぷりなデザートが大人気。ハロハロしながら(混ぜこぜにしながら)召し上がれ。

エルニド リゾーツ ミニロック アイランド
URL http://www.el-paradise.com/elnido/

2015.07.28(火)
文・撮影=たかせ藍沙