Magnificent View #655
ビガン(フィリピン)
(C) Robert Harding Images/ Masterfile / amanaimages
フィリピンのルソン島北部に位置するビガンは、スペインの植民地として16世紀に築かれた港町。白壁の教会や石畳の通りなど、スペインの風情を色濃く残す旧市街は世界遺産にも登録されている。
古くから中国との貿易で栄えたこの街に並ぶのは、フィリピンの伝統的な木造の家屋に、中国の建築様式が融合した独特な建物。また、スペインと各地の交易の中継地でもあった名残りから、街はラテンアメリカ文化の影響も受けているという。
同様の街並みはスペインのフィリピン統治拠点となったマニラやセブにもあったが、第二次世界大戦で多くが破壊されてしまった。ここビガンが奇跡的に戦禍を逃れたのは、駐留していたある日本人将校が、命をかけて、軍の命令に背き、街を守ったためという逸話も残る。
さまざまな国のカルチャーがミックスする美しい街並みは、現在も変わらぬまま。石畳の通りを歩けば、中世のにぎやかな街へと誘われる。
文=芹澤和美
