穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。

「にら」と糸寒天のチャプチェ

 刺激的な香りが食欲をそそる、にらを使って、韓国の家庭料理チャプチェを作ります。

 チャプチェは、肉や卵、野菜と一緒にデンプンが主成分の春雨で作るお料理ですが、今回春雨の代わりに使うのは糸寒天です。寒天には食物繊維が豊富で整腸作用があるほか、血圧を下げる、善玉コレステロールを増やす、血糖値を下げるなどの数々の嬉しい効果があります。

 また、にらに含まれるアリシンにも血糖値を下げる働きがありますから、食後の血糖値が気になるという方にもおすすめのレシピです。あわせてショウガやニンニクを使うことで脂肪燃焼効果も期待できるのでダイエットを心掛けている方にも良いですね。

 卵の代わりにターメリックで色づけし、乾煎りした豆腐を使います。パンチの利いた味付けなので、お肉を入れなくても食べごたえ十分。またたくさん食べてしまっても低カロリーで安心です。糸寒天の食感を楽しみながら美味しく食べて健康管理に役立ててくださいね。

【旬の食材】にら

 「にら」は中国西部から東アジア原産の緑黄色野菜です。独特の匂いは硫化アリルのアリシンによるもので、血液をサラサラにし、血栓を予防する効果と血圧を下げる効果があります。

 他にもアリシンには、ビタミンB1の吸収を高めて糖の代謝を促進する働きもあるため、玄米ご飯や全粒粉のパンなどビタミンB1を含む主食と合わせると、糖がエネルギーに変換されやすくなりスタミナがつくなどの良い効果が期待できます。

 マクロビ的には陽性の辛み食材に分類され、手足やお腹を温めて血液の循環を良くすると考えられています。血の巡りが悪く冷え性の方、スタミナ不足で虚弱体質の方は、にらのお料理を積極的に食べるようにすると良いでしょう。

2015.04.23(木)
文=中村恭子
撮影=秋元良平