奈良 安由未(なら あゆみ)さん
家族:夫、長男1歳6カ月 慧士(けいと)君
会社名:株式会社パソナ
肩書:マネージャー
仕事:パソナのライフサポート制度を利用して9:00~17:00の勤務
2002年に入社以来、長らく営業現場で活躍してきた奈良さんは、言葉の選び方も的確で、ハキハキした応対が気持ちの良い女性だ。
2014年4月に産休・育休より復帰し、7月からは、「キラリ人材発掘プロジェクト」(外部サイト)という「正社員として働きたい女性と中小企業をつなげる国の事業」の担当となった。プロジェクトの研修企画・運営・広報業務など幅広く担当し、中でも研修業務では月間15以上の講座の企画・運営に携わる。
就職にあたって、奈良さんは、将来働き続けることをイメージできる職場としてパソナを選んだという。そのイメージは間違っていなかった。現在パソナでは、全社員の6割を女性が占めている。出産後の復職率はほぼ100%で、女性の4人にひとりはキャリアママとして両立しているというから、「働いているママが当たり前」という環境と言っていいだろう。
「残業なしの17時に退社する」ことや「突然子どもの病気で休む場合がある」ことが、職場の中の自然な価値観として受け入れられ、仲間同士がお互いを補完しあう関係ができていることは何よりありがたい。
パソナで働く派遣社員のサポートを中心に、営業の第一線でバリバリと働いてきた奈良さんは、子どもができたことで働き方に対する考え方はどのように変わったのだろうか。
「子どもができるまでは、『いつでも即座に対応します』というスタンスで仕事をしていました」と奈良さん。
ところが子どもができたことで、それができなくなった。仕事人として一つの強みを失ったのではと、正直不安になったこともある。けれども奈良さんは「『17時までという時間制限はあるけれど、この仕事は奈良に頼みたい』と周りに信頼されるようになろう!」と考え方をシフト。
そのために、依頼されたことにできる限り早くレスポンスすること、書類作成ひとつとっても、仕上がりが人と一歩違うものを作るように仕事の精度を上げる工夫をした。また、ミーティングでは、「この時間を使って、何を決めるのか、そのために事前に何を用意するのか」を、自らが先頭に立って参加者全員にそのミーティングのゴール設定を明確にすることで、効率的で効果的な会議運営ができるようになった。
日々の仕事を通して、職場の信頼関係が築けていれば、たとえ働く時間に制限があっても、過度に「申し訳ない」という思いを持つことはない。
「ここまでは終わっています。これが終わっていないのでお願いします」「この続きは、明日対応します」と「報・連・相(ホウレンソウ)」をしっかり行うことで、周囲の仲間も安心し、快く協力してくれる。
復帰後まだ半年。奈良さんは徐々にペースをつかんできている。そんな意識の変化は、職場だけではなかった。
2014.12.22(月)
文・撮影=HITOMINA