一番の歓声を浴びたのは中国人女優タン・ウェイ

左:ドロドロの愛欲劇『愛のタリオ』で、激しい濡れ場を演じたチョン・ウソンと新人イ・ソム。
右:アクションコメディ『海賊:海に行った山賊』が大ヒットした、キム・ナムギル。

 レッド・カーペットでは、チョン・ウソン、キム・ナムギルら男性スターにも大歓声があがったが、一番人気だったのは、タン・ウェイ。タン・ウェイの韓国での人気は元々高かったのだけれど、『レイトオータム』で知り合った韓国の監督キム・テヨンとの結婚でさらなる人気者に。

 アルマーニのドレスを着たタン・ウェイがレッドカーペットに登場すると、パンダのぬいぐるみが投げ込まれたり、花が渡されたり、特に女性に人気が高く、開幕式の間も、カメラがタン・ウェイの姿を映すと、若い女性がキャーッと声をあげるほど。毎年、熱狂的なファンが詰めかけて押すな押すなで大変な騒ぎだったけれど、今年はレッドカーペット脇に無料のスタンド席が設けられたおかげで、取材も安心してできた。なんたって、安全第一。

『黄金時代』のアン・ホイ監督(左)とタン・ウェイ。アルマーニの斬新な柄のドレスは、タン・ウェイの可愛らしい魅力にはミスマッチだった。

 また、同時期に仁川アジア大会が開催されていた影響で、そちらの広報大使を務めるヒョンビンらが映画祭出席を取りやめたり、映画に出演していないアイドルらの招聘をやめたり、例年よりはやや地味めな印象だったのは否めないが、映画にフォーカスする、という映画祭側の意思は開幕式からも感じられた。もちろんJYJのユチョンをはじめ、期間中全体ではたくさんのスターが登場したので、そのお話は次回以降に。

『Daughter』では主演・監督・脚本も務めた、「花より男子」のク・ヘソン。去年は超ミニドレスだったが、今年は一転、カーテンのようなドレスになってしまった。

石津文子 (いしづあやこ)
a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。ときおり作家の長嶋有氏と共にトークイベント『映画ホニャララ はみだし有とアヤ』を開催している。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。俳号は栗人。「もっと笑いを!」がモットー。