今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!
小麦ふすま
小麦の製粉工程で取り除かれる「小麦の皮」の部分で「ブラン」とも呼ばれます。
お米でいうところの「米ぬか」にあたり、食物繊維や鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの栄養素が豊富に含まれています。なかでも注目したいのは食物繊維の働きで、これは炭水化物などの糖の吸収を緩やかにしてくれるため、血糖値を急激に上げることを防いでくれます。またふすまの食物繊維は不水溶性のため、便のカサを増やし便秘を改善する効果があり、便秘で悩む方は小麦粉を使った料理や菓子作りの際にふすまを1、2割加えると良いでしょう。
マクロビ的には、食材を丸ごと頂く「一物全体」の考えから、製粉時に除かれるふすまはぜひ食べて頂きたいもの。スーパーでは手に入りにくい食材ですが、ネットの健康食品を扱うサイトで購入できます。
地粉
国産の小麦粉のことです。輸入物の小麦粉のようにポストハーベスト(作物の収穫後に防腐・防カビなどを目的に使用される農薬)の心配がありません。また漂白もされていないので真っ白ではなくナチュラルな色合いです。日本の多湿な気候風土上、外国の小麦よりも含まれる水分量が多いため、パン作りなどの際にはレシピの水分量を調整する必要があります。蒸しパン作りやケーキ、クッキー作りには薄力粉を、うどんや餃子の皮などは中力粉、パンやピザには強力粉と用途によって使い分けするのは他の小麦粉と同様です。またオールベジの私のお料理では水で溶いた地粉を、揚げ物の衣付けとして溶き卵の代わりに利用したりもします。
太白ごま油
ごま油の香りと色は、ごまを煎ることによって生まれてきますが、太白ごま油はごまを煎らずに生のまま搾っているごま油です。そのため、香りや色に癖はなく、色々な用途で使用できます。同じく使いやすいサラダオイルは、トランス脂肪酸含有のものが多いので気を付けたいものです。多少値段は張っても油は良質のものを選びましょう。また保存場所にも気を付けます。光や酸素で酸化が進むので、開封前も冷暗所で保管し、開封後は早めに使い切りましょう。
塩麹
塩麹は、麹に塩、水を加えて発酵・熟成させた日本の伝統的な調味料です。昔から野菜や魚の漬物床として使われてきたものですが、ここ最近のブームで調味料として使うことも多くなりました。オールベジの私のお料理では、乳製品のコクを出したいときに、ほかの塩味を控え、豆乳と合わせて使います。そしてこれが驚くほど美味しく仕上がります。市販の塩麹でも美味しくできますが、1週間くらいででき上がる発酵食品なので、麹と良い塩が手に入ったら手作りをしてみることもお勧めです。保存期間は塩分の濃度によっても変わりますが、冷蔵庫内であれば半年くらいはもつものです。
ベーキングパウダー
アルミニウムフリーのものを選びましょう。重金属は神経系に影響が出る可能性が疑われています。食材に加えて使う添加物は危険性が疑われるものはできるだけ避けたいものです。私が愛用しているものはラムフォード社のもの。苦味などが出にくくふんわりと仕上がります。ベーキングパウダーは湿度に弱いので、長期保存の際は冷凍庫での保管がお勧めです。
豆乳
豊富に含まれる大豆イソフラボンの効果で女性ホルモンの働きを助けてくれる豆乳は、主に乳製品の代わりとして使います。甘味や添加物の入っていない無調製豆乳を選びましょう。遺伝子組み換え製品ではない、有機栽培の国産大豆を使用したものが望ましいですが、あまりこだわらずに気軽に使ってみましょう。私が愛用しているのは大豆固形成分8%程度のもの。それ以上のものだと大豆の味が強く出てしまい、お料理によっては不向きの場合もあります。コーヒーや紅茶にもミルクの代わりに使えます。
中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18
撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp
Column
自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ
週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。
2014.10.03(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平