穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。

「ナス」のキーマ風カレー

 雑穀のタカキビを挽肉に見立てて、ナスのキーマ風カレーを作ります。

 カレーというとぐつぐつと長時間煮込んだものが美味しいというイメージがありますが、暑い季節のキッチン作業はできれば加熱調理を短くしたいもの。そんな時、炊いたタカキビさえあれば短時間で仕上げることが出来るのも嬉しいポイントです。

 また、ルウには小麦粉を使用しないので、小麦アレルギーのある方や美容・健康のために食事にグルテンフリーを取り入れている方にもお勧めのメニューです。数種類のスパイスと市販のカレーパウダーで作るシンプルなレシピながら、本格的かつオールベジとは思えない深みのある味わいに仕上がります。

 玄米ご飯との相性が抜群なので、ぜひ一緒に召し上がってみてください。

【旬の食材】ナス

「ナス」には最近注目されているファイトケミカル(植物の持つ天然の化学物質)が豊富に含まれており、旬の時期にはぜひとも食べていただきたい野菜の一つです。ファイトケミカルは「第7の栄養素」とも言われている注目の栄養素で、色で分類されます。

 特に、赤(トマト、すいか等)や緑(ほうれん草、ブロッコリー等)、紫(ナス、赤しそ等)、橙(人参・かぼちゃ等)は強い抗酸化作用を持つものとして注目されています。

 この抗酸化力はご存じのとおりアンチエイジング対策に役立つものです。強い日差しによる夏のダメージには、旬のもの、かつカラフルな色の野菜を意識して取り入れてケアしていくと良いでしょう。

 漢方では、体のほてりを取り、血流を良くすると考えられており、生理不順や肩こりの解消、脳溢血の予防に効果があると考えられています。

 マクロビ的には強い陰性(体を冷やす、暑い季節に良く育つ)に分類される野菜なので、通年を通して積極的には摂らないのですが、冷やす性質だけにとらわれず、加熱していただくなど調理の工夫をして美味しく食べながら、紫色の抗酸化パワーをチャージしていきましょう!

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2014.08.29(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平