今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

パーム油

 アブラヤシからとれる植物油。近年、パーム油が環境破壊をしている、パーム産業で働く人たちが劣悪な労働条件で働かされているという話を聞いたことがある方は、「パーム油が原料となるショートニングはだいじょうぶ?」と心配されるかもしれません。パーム油を材料として販売されているショートニングは製造時に水素添加されておりトランス脂肪酸を含んでいますが(カップラーメン、洗剤などの原料となるものが多い)、中には圧搾法で抽出し水素添加をせずに、また原料の栽培時に森林伐採や焼畑は行わず、自然の循環を生かした有機農法を実践している商品もありますので、その点を商品選びの参考にしていただければと思います。またトレーサビリティの確かなものということも大切なポイントです。無味無臭のため、揚げ物や炒め物などの普段の料理に、またパンやパイ生地、クッキーなどの菓子作りに使うことができ便利です。

リンゴジュース

 甘味を補う時に使う食材の一つです。輸入物の濃縮還元ではなく国産のストレート果汁100%のものを選びましょう。風邪で食欲がなく熱がある時にはリンゴジュースを葛粉と合わせて温めたものをいただくと、消化に負担がかからず優しく熱を取ってくれます。

 マクロビ的にみると、リンゴは丸い形と堅い身、そして寒い地方で取れる果実ということから中庸(ちゅうよう……陰と陽の中間)のエネルギーを持つ果物と考えます。ただし、果物は全般に陰性のエネルギーの食材なので体を冷やす傾向にあるものです。摂り過ぎには注意が必要です。冷え性の方は自然塩少々を加えていただくようにすると良いでしょう。

干しシイタケ

マクロビ食材「乾シイタケ」の写真

 水で戻した干しシイタケはお料理に合わせた大きさにカットして具材として使用。ヘルシーなのに、ニンニクやねぎ類などと合わせるとお肉のような旨みを出してくれる食材です。また戻し汁は出汁として使用。これは、マクロビ的には、たまった動物性脂肪やコレステロールを溶かす効果があると言われています(昔から茶碗蒸しには干しシイタケが使われることからも納得ですね!)。旨みもたっぷりなので、捨てずにお料理に使うようにしましょう。使いきれずに残った戻し汁は冷凍も可、またお味噌汁などの出汁にプラスしても◎。

塩麹

マクロビ食材「塩麹」写真

 塩麹は、麹に塩、水を加えて発酵・熟成させた日本の伝統的な調味料です。昔から野菜や魚の漬物床として使われてきたものですが、ここ最近のブームで調味料として使うことも多くなりました。オールベジの私のお料理では、乳製品のコクを出したいときに、塩味を控え、豆乳と合わせて使います。そしてこれが驚くほど美味しく仕上がります。市販の塩麹でも美味しくできますが、1週間くらいででき上がる発酵食品なので、麹と良い塩が手に入ったら手作りをしてみることもお勧めです。保存期間は塩分の濃度によっても変わりますが、冷蔵庫内であれば半年くらいはもつものです。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ

週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。

2014.08.29(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平