LINEで本や映画の話をしながら次回作を構想

――2人の制作スタイルについて教えてください。磯山さんからテーマを振るんでしょうか?

磯山 私から振る、ということはあまりないです。「もし次やるとしたら、誰のどんな話がいいですかね」とご相談して。そこから長いあいだLINEで「この映画見ましたか?」、「こういう本読みましたか?」ってやり取りを重ねていくうちに「そろそろこの方に会って話を聞いてみましょうか」と、徐々に具体的になっていく感じです。

 『木更津キャッツアイ』のときは、最初から打ち合わせで、「野球」、「泥棒」、「余命」と、矢継ぎ早にキーワードをお伝えしてお願いしてましたけど。

宮藤 『ごめんね青春!』あたりから変わってきた感じがしますね。しゃべっているうちに全然関係ないことを思い出して、そこから広がったり。それこそさっき話したように、若い人たちのセリフを頑張って書いていたらストレスが溜まってきて、もうおばちゃんの方がいいんですけどってできたのが『監獄のお姫さま』でした。TBSに磯山さんがいたときは、企画を通さなきゃいけないから色々やってくださっていたと思います。

磯山 それは今も同じですよ(笑)。ただ、TBSの場合は、何年の何月クールにやるということが漠然とあるので、ぼんやりとした締切に追われる感じでしたけど、Netflixの場合は先に配信日が決まっているわけではなく、台本を全部作ってから撮影に入るのでそこが一番違いますね。テレビだったら撮り終わって1週間以内にオンエアされることもありましたが、配信は1年かかるのでスケジュール感も全然違う。余裕を持って作れる分、「タイミング的にこれは今やるべきなのか」という不安を感じることもあります。

宮藤 連ドラは、ライブ感があったんですよね。「どうしよう間に合わないかもしれない」からの「間に合った! しかもいいタイムが出た!」というスリルが毎回あって。まだその感覚が抜けてないから、今回も打ち合わせで、7話の話をするとなったときに「まだ誰の演技も見てないのに」って気持ちになっちゃう。

磯山 連ドラだと、次の回までに1週間あるので視聴者の方も「ああでもない、こうでもない」って色々楽しんでくださるんですけど、配信系は一気見してもらわないといけないので、そこに寂しさを感じることもあります。同じ曜日の同じ時間に見てもらうのは、ほぼ叶わない夢ってことはわかっているんですけどね。

 「あの人の演技がすごく評判がいいから、もっと登場させてください」と、脚本家の方に頼むことももちろんできなくなりました。

宮藤 冷蔵庫のあまりもので何か作ったら、すごく美味しかった! 奇跡のチャーハンができたってこともないですよね。

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