よりユニバーサルな落語会を目指して

――ホテルという場所柄、外国人のお客様も多いですよね。なるべく言葉遊びを避けるとおっしゃっていましたが、話芸なのに言葉に縛りがあるというのは、けっこう厳しくないですか。

空治 そうですね。日本人と外国人、どちらに振るかは、ギリギリまで迷うことが多いです。外国の方が多くて反応がよければ、そちらに寄せたネタをやったほうがいいと思うし、実際、英語をまじえて話すこともあります。

 落語の形が多少崩れてしまったとしても、お客さんを楽しませることが最大の目的なので、それでもいいと割り切っていますね。

 逆に、言葉の壁を押し通したこともあるんですよ。お客さんのほとんどが日本人だった回で、「天狗裁き」をやったんです。登場人物の多い、日本人でもちょっと分かりづらい噺。ところが終演後に、外国人の方からこう言われたんです。「細かいニュアンスは分からなかったけど、登場人物は6人で合ってる?」って。

――すごい!

空治 言葉がよく分からなくても、1人で複数人を演じ分ける芸だということは伝わっていた。あれは本当に嬉しかったですね。しかも6人で合ってるし。

 正直言うと、そのときは外国人の方に楽しんでもらうことは諦めて、いわば切り捨ててしまったわけですが、もっとお客さんを信頼すればよかった。そうすればもっと伝えられることがあったかも知れないと、今は思います。

香月 最近では、スマホの翻訳機能を使って聴いてくださる方もいるようです。

空治 この間もスマホをいじってる人がいて、最初は「面白くないのかな」と思ってたんです。でも翻訳アプリだと気づいて、言葉遣いを変えました。江戸弁のままだとAIもうまく翻訳できませんから。

旨山 海外からのお客様へのサポートについては、今後の課題でもあります。今は落語家さんの技量に頼り切っている状態ですが、ホテル側でもっとできることがあるのではと思っています。

娯楽の街・浅草で“生”の落語を楽しんでほしい

――改めて、落語の魅力って何でしょう。

空治 誰にでもある負の感情――大小の悩みや、妬み、嫉み、憤りを忘れるひととき。これにつきると思います。話すのは落語家ですが、それぞれのお客さんが自分の頭の中で登場人物を思い描き、動かしていくわけですから。

 悩んでるのがバカらしくなるような映像が次々と頭の中に浮かんできて、その世界に夢中になっているうちに、心が軽くなっていく。そんな時間をお届けするのが僕らの仕事です。

 マヌケな失敗に笑ったり、自分よりダメなやつを見て安心したり。今の世の中的にはけしからんと言われることもありますが、落語の世界には、バカで愚かな人間を含めた賑やかな風景が広がっています。それを肌で感じていただくためにも、ぜひ生の落語を聴いてほしいんです。

――今は配信でもたくさんの落語が見られますが、やはり生は違いますか?

空治 実は僕も入門する前は、落語なんて古臭いと思っていましたし、友人にすすめられてYouTubeで見ても、さほど面白いとは思えませんでした。でも、生で聴くと全然違ったんですよ。なんでこんなにすごいものが、一部の人にしか知られていないんだろうと思いました。

 空気感、息遣い、登場人物のリアリティも桁違い。落語って本来は限られた空間で、そこにいる人たちに向かってやる芸能なので、ぜひ生で見てその真価を確かめてほしいんです。見ず知らずの落語家でも、その人を映像で見るのとでは、絶対に違うと思うので。

旨山 OMO3浅草のスタッフも、ほとんどが落語初心者だったのですが、「浅草落語ナイト」に関わるようになってから、まんまと落語にハマって。私も含め、今ではプライベートで落語会に通うスタッフも増えました。

 最近では、落語を目的にご利用いただくお客様も増えているようで、嬉しい限りです。OMOブランドのお客様は、30~40代の比較的若い世代が多いのですが、二ツ目の落語家さんたちもほぼ同世代なので、親しみを感じてもらえるのではないかと思います。

 「浅草落語ナイト」で「落語って面白いかも」と思っていただけたら、当館では浅草演芸ホールのチケットも扱っておりますので、翌日にでもぜひ。OMO3浅草を入口に、娯楽の街・浅草を満喫していただけたら嬉しいです。

 「OMO」は、星野リゾートが全国に18施設を展開する「テンションあがる『街ナカ』ホテル」。2026年1月に「OMO5横浜馬車道 by 星野リゾート」、4月には「OMO7横浜 by 星野リゾート」が開業し、話題を呼んでいます。

 「OMO3浅草 by 星野リゾート」は、館内の至る所から浅草寺と東京スカイツリー®を望める絶好のロケーションに位置。日本有数の観光地である浅草を満喫できる、これまでにない宿泊体験を提案しています。後篇では、施設の魅力や、アクティビティをご紹介します。

OMO3浅草 by 星野リゾート

所在地 東京都台東区花川戸1-15-5
電話番号 050-3134-8095(OMO予約センター)
宿泊料金 1泊1室26,000円~(税込・食事別)
客室数 98室
チェックイン 15:00/チェックアウト 11:00
アクセス 浅草駅(東京メトロ銀座線、都営浅草線、東武スカイツリーライン)から徒歩約4分
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo3asakusa/
◆Wi-Fiあり

星野リゾートでは、今回ご紹介した地域に密着した新感覚の都市型ホテル「OMO」のほか、圧倒的な非日常を愉しむ「星のや」、ご当地の魅力に出合える温泉旅館「界」、豊富なアクティビティが魅力の「リゾナーレ」、仲間と楽しく過ごす「BEB」、心揺さぶる山ホテル「LUCY」など、国内外に個性的な宿泊施設を展開しています。

詳しくはCREAWEBの特設サイトをご覧ください。
https://crea.bunshun.jp/list/crea-hoshino

次の記事に続く 浅草滞在の醍醐味は早朝と夜にあり。歴史ある街の素顔が見...