直木賞作家、エッセイの名手としても知られる佐藤愛子さんが、4月29日、老衰のため都内の施設で逝去されました。102歳でした。

 娘の杉山響子さん、孫の杉山桃子さんが「佐藤愛子」の家と仕事とお金と恋について語った書籍『ぼけていく私』の内容の一部を、ダイジェストでお届けします。


「このことみんな知ってるの?」

 愛子さんの心身が「ガクンと衰え」たのは、2022年の秋に帯状疱疹を患ってからだったと桃子さんは語る。響子さんも「もうだめだと思った」というほどの状態から回復し、100歳で本を書き上げたことには驚きを隠さない。

 しかし、2024年に肋骨と大腿骨を骨折。これを機に、認知機能の低下が顕著になっていく。桃子さんは「昼寝から起きると何時かわからないようになったのが始まり」と振り返る。

 愛子さん自身、自分の変化に大きなショックを受けていたという。

「母が自分の認知症にショックを受けて、『このことみんな知ってるの?』と言うので、『まだ誰にも言ってない』と答えたら、ホッとしていました」(響子さん)

 良いケアマネジャーさんに出会えたこともあり、2024年の秋に近くの介護施設に入居。2025年1月に大腿骨骨折の手術を受けた後、認知機能の低下はさらに進むこととなる。アルツハイマー型認知症と診断され、要介護4の認定を受けた。

 その頃の愛子さんは「常に白日夢の中にいる感じ」だったと響子さんは語る。

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