この記事の連載
草彅剛さんインタビュー【前篇】
草彅剛さんインタビュー【後篇】
「朝起きて少し調子が悪いだけでおろおろしちゃう」

――生や死について考える役柄でもありますよね。草彅さん自身、生きることや死ぬことについて思いを巡らせることはありますか?
草彅さん ずっとじゃないですけど、毎日、死について考えていますよ。僕だっていつかは死ぬんだよな、と。死は誰にとっても平等に訪れるものですから。
若い頃と比べて体力の衰えをひしひしと感じるようになり、より「死」というものを意識するようになりました。たとえ今は健康だと思っていても、検診で病気が見つかる可能性はゼロじゃない。年齢を重ねるほど、さらに考えることが増えていくと思います。
本当は「いつ死んでもいいように悔いなく生きよう」と胸を張って言える人間でありたいんですが、正直まだ覚悟はできていない。意識はしていても、死や病気はやっぱり怖いよね。
健康であるがゆえなのかもしれないけれど、僕は健康面に関してすごくメンタルが弱くて。朝起きて少しでも調子が悪いと、『今日ちゃんと撮影できるかな』と、おろおろして不安になり、気持ちが沈んじゃうんです。急に死が訪れる可能性は理解していても、まだ完全には受け止めきれていないですね。それも人間らしくっていいのかな。

――健康のために日々実践していることはありますか?
草彅さん とにかく睡眠。
――撮影を乗り切るには、睡眠が大切ですか?
草彅さん 特に連続ドラマは撮影スケジュールが過密になってくるので、いかに質のいい睡眠をとるかが重要。最近は睡眠のことばかり考えているかも(笑)。
朝起きたら、家の日当たりのいい場所で日光浴をするんです。そうするとセロトニンが分泌され、体内時計が整うらしいんですよ。これを5分するだけでも、だいぶ寝つきが良くなります。
朝早くて家でできない時も、ちょっとでも光を浴びるように心がけてます。それもあって今、自分史上一番睡眠の質がいいかも。若かった頃は、3時間くらい寝れば翌朝元気に仕事に行けたけど、今はそうはいかないよね。
草彅剛(くさなぎ・つよし)
1974年7月9日生まれ、埼玉県出身。91年、CDデビュー。俳優として、『黄泉がえり』、『あなたへ』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』など多数の作品に出演。17年には「新しい地図」を立ち上げ、20年公開の『ミッドナイトスワン』では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に輝いた。近年の主な作品に、『サバカン SABAKAN』、『碁盤斬り』など。カンテレドラマでは本作『終末のロンド』で10作目の主演となる。
『終末のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』

10月13日スタート 毎週月曜夜10時(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
出演:草彅剛、中村ゆり、八木莉可子、塩野瑛久、風吹ジュンほか
https://www.ktv.jp/shumaku-rondo/

2025.10.12(日)
文=高田真莉絵
撮影=榎本麻美
ヘア&メイク=荒川英亮
スタイリスト=栗田泰臣