神奈川新聞花火大会(神奈川県)

変化菊(へんかぎく):大きな花火は、赤橙色(あかだいだいいろ)から青色に変色してから、その先が「ジュワー」、 「ジュワー」という燃焼音を発する「霞草(かすみそう)」に変化しています。本当に日本の花火は繊細です。大きな「変化菊」の下には「満星」が上がってい て、このようにことなる大きさの花火玉を、タイミングをずらして打ち上げる方法を「段打ち(だんうち)」といいます。

 首都圏でも有数の規模を誇る神奈川新町花火大会は、尺玉連打や音楽に合わせて打ち上げる花火などがあります。

 関東最大級の20号玉まで打ち上がり、20号玉は直径約60センチ、重さ約80キログラムで、約500メートルの上空まで上昇し、直径約500メートルもの大輪の花を咲かせます。この花火が打ち上げられると、横浜みなとみらい21地区や臨港パーク前面海上には20号玉独特の轟音が響きます。

 花火が横浜港を背景に夜空を彩りながらも、小船などの回りの灯りが大都心のホテル群とともに輝き、港町らしい幻想的な光景が広がります。

 横浜みなとみらい21地区では、花火の打ち上げは海上の台船から打ち上げられますが、その付近には「横浜ロイヤルパークホテル」や「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」に「横浜ベイホテル東急」など花火見物に好条件の良いホテルがあります。

 ホテルの中からですと花火の音が聞こえてこないので臨場感にかけますが、私の一番のお気に入りのホテルが、「横浜ベイホテル東急」です。この地区での唯一のバルコニーがついた部屋があるからです。バルコニーから観る花火はとても気持ちがいいものです。ワインを飲みながら眺める花火も趣は、横浜の夜景とマッチしてまた格別です。

 1986(昭和61)年から、神奈川新聞社主催で花火大会を開催しています。

大会概要
【大会名称】 神奈川新聞花火大会
【開催場所】 横浜みなとみらい21地区・臨港パーク前面海上
【観覧席】 有料観覧席あり(要予約)
【アクセス】 JR・東急東横線・みなとみらい線・横浜市営地下鉄「横浜駅」より徒歩20分 JR・横浜市営地下鉄「桜木町駅」より徒歩15分 みなとみらい線「新高島駅」「みなとみらい駅」より徒歩10分(桜木町、新高島、みなとみらい駅は混雑が予想されますので、横浜駅からの来場をおすすめします)
【URL】 http://www.kanaloco.jp/topic/corporate-hanabi
【問い合わせ】 神奈川新聞花火大会実行委員会 TEL:045-227-0744(平日10:00~17:00)

泉谷玄作(いずみや げんさく)
写真家。1959年 秋田県に生まれる。花火の撮影をライフワークとする。現代美術作家、蔡國強(Cai Guo-Qiang)氏の依頼で、2002年MoMA(ニューヨーク近代美術館)主催の「動く虹」の花火や、2003年ニューヨークセントラルパーク150周年記念の「空の光輪」の花火などを撮影。著書に、『心の惑星-光の国の物語』(クレオ)、『日本列島 四季の花火百華』(日本カメラ社)、『静岡県ふくろい遠州の花火』(日本カメラ社)、『花火の図鑑』(ポプラ社)、『花火の大図鑑』日本煙火協会/監修 (PHP研究所)、『日本の花火はなぜ世界一なのか?』(講談社+α新書)など、花火に関するもの多数。日本写真家協会会員。

2014.07.10(木)
文・撮影=泉谷玄作