新しい買い物は「明日へのお楽しみ」を連れてくる

――「新しい洋服」という漫画は、今あるコートだけで十分なのに、ヒトミさんがつい素敵なコートを買ってしまうお話です。新しい洋服は確かに「新しいわたし」を感じます。
コートって「外のわたし」なんですよね。こんな自分に見られたいという想いも羽織って外に出る。内面から変わるのは大変ですが、新しい洋服で何かを変えられるかもしれないという期待や希望を持ったことは誰にも経験があるんじゃないかなと、この漫画を描きました。
――そういう益田さんは、秋のお買い物はしましたか?
秋物のワンピースを買いました。秋になったらこれを着て、誰かを誘って、美味しいランチを食べに行こう! という未来への希望です。猛暑日に届いたので、試着はまだしていません。ウールのハイネックなので。
――ウールのハイネック! 寒くなるのが楽しみですね(笑)。他に、最近買ってよかったものは?
マリメッコのカラフルなクッションカバーを買ったら気分が上がりました!

――寝る前にスマホを見ていると、「買い物スイッチ」が発動することありますよね! ヒトミさんの女子会仲間は青森のリンゴをポチってましたが、益田さんも深夜にポチりますか?
実は「リンゴをポチッ」はわたしの体験なんです。真夜中、リンゴを箱買いしようとしたらカード会社に不審に思われカードが使えなくなって。翌朝、電話で説明して買えました(笑)。
――母・典江さんもご近所友達とよくお茶していますが、あの情報交換の場は貴重だし、典江さんも女子会を楽しんでいて、季節感のある食べ物の話もよく出てきます。
こどもの頃は、季節の移り変わりにさまざまなイベントがありました。入学式やクラス替え、遠足、体育祭、夏休みに文化祭。大人になると決まったイベントもなくなり、季節の移り変わりは「季節の食べ物」に。それもまた楽しいものです。典江さんたちも女子会で旬のおやつを食べているのだと思います。この本の担当編集さんともしょっちゅう食べ物の話をしています。ついさっきもメールで「とうもろこしご飯」のレシピを教えてもらったばかりです。
――父・四朗さんは、自分の買い物というより、英語を教えてもらっているフィリピン人の先生へのおもてなしを悩んでいたようですね。
英語のオンラインレッスンを受けている四朗さん。先生は母国にいるので直接、会うことはできないのですが、もし日本をご案内するとしたら? と真剣に考え、焼き鳥屋さんにお連れするのはどうかと下見にまで行き、実際、焼き鳥を買ってきてしまうところが四朗さんのおかしみです。四朗さんのこういうところを妻も娘も好きでいて欲しいと思いながら描いています。
2025.09.26(金)
文=ライフスタイル出版部