長岡まつり大花火大会(新潟県)

錦冠菊小割浮模様( にしきかむろぎく こわりうきもよう):この大玉が名物の「正三尺玉」で、「冠菊」は丸く花開い たあとで美しく枝垂れてくる花火で、「小割浮模様」は、「菊」や「冠菊」などが開いたその輪上にさらに美しい小花がたくさん咲くものをいいます。「三尺 玉」となると、打ち上げられるときの発射音や爆発(花火用語では開発という)するときの音が半端な音ではないですから、単に轟音ともいえないすごい音がし ます。下には、「ナイアガラ」の花火で華を添えています。

 古くから「日本三大花火」といえば、秋田県大仙市「全国花火競技大会 大曲の花火」、茨城県土浦市「土浦全国花火競技大会」とともに、この「長岡まつり大花火大会」と、いわれていました。

 名物の「正三尺玉」は、二日間で4発も上がり、信濃川に掛けられた「長生橋」の一面には、仕掛花火の「ナイアガラ」が5色に色分けられた光彩を吹きあげます。

 また、音楽とシンクロしたストーリー性のある「天地人花火」、「花火 この空の花」と題した花火までも打ち上げられます。

 2004年(平成16年)には新潟県は中越大震災に襲われました。死者68人を含む大きな被害に見舞われ、もう花火を打ち上げるどころではないと思われていました。しかし、その翌年には、復興祈願の象徴として「フェニックス」と題された10号玉のワイドスターマインが全長約2キロメートルに渡って次々と打ち上げられたのです。

 もともと、長岡まつりの歴史は、1945(昭和20)年8月1日の長岡空襲で亡くなられた方々の慰霊と長岡の復興を願って開催された「長岡復興祭」が起源です。そのため、大花火大会の開催日は毎年8月2・3日に固定されていて、慰霊と復興、平和への祈りを込めて打ち上げられている全国でも珍しい「祈りの花火」となっています。

 長岡の人たちは毎年この花火を見ながら、大きな自然災害から身近な出来事まで、大きな悲しみや小さな悲しみを癒やし、乗り越えて来たのでしょう。花火には、そうした不思議な力があるように思います。私も花火を見上げながら、涙が止まらなくなることがあります。

大会概要
【大会名称】 長岡まつり大花火大会
【開催場所】 新潟県長岡市長生橋下流信濃川河川敷
【観覧席】 有料観覧席あり(要予約)
【アクセス】 JR長岡駅から徒歩30分
【URL】 http://nagaokamatsuri.com/
【問い合わせ】 長岡まつり協議会事務局(長岡市まつり振興課内)
      TEL:0258-39-2221  FAX:0258-39-3234

泉谷玄作(いずみや げんさく)
写真家。1959年 秋田県に生まれる。花火の撮影をライフワークとする。現代美術作家、蔡國強(Cai Guo-Qiang)氏の依頼で、2002年MoMA(ニューヨーク近代美術館)主催の「動く虹」の花火や、2003年ニューヨークセントラルパーク150周年記念の「空の光輪」の花火などを撮影。著書に、『心の惑星-光の国の物語』(クレオ)、『日本列島 四季の花火百華』(日本カメラ社)、『静岡県ふくろい遠州の花火』(日本カメラ社)、『花火の図鑑』(ポプラ社)、『花火の大図鑑』日本煙火協会/監修 (PHP研究所)、『日本の花火はなぜ世界一なのか?』(講談社+α新書)など、花火に関するもの多数。日本写真家協会会員。

2014.07.08(火)
文・撮影=泉谷玄作